工繊大の塚本と申します. # Subject: は修正しました.

In article <1856058f-e0d6-428d-a420-d42147c797ea@z6g2000pre.googlegroups.com>
cchikakoo <cchikakoo@yahoo.co.jp> writes:
> 下記の問題について質問です。
> 
> Let A be a set;let {X_α}_α∈J be an indexed family of spaces;and let
> {f_α}_α∈J be an indexed family of functions f_α:A→X_α.
> (1) Show there is a unique coarsest topology T on A relative to which
> each of the fuctions f_α is continuous.
> (2) Let S_β:={f_β^-1(U_β); U_β is open in X_β},and let S=∪S_β. Show
> that S is a subbasis for T.
> (3) Show that a map g:Y→A is continuous relative to T if and only if
> each composite map f_α。g is continuous.
> (4) Let f:A→ΠX_α be defined by the equation f(a)=(f_α(a))_α∈J ;let Z
> denote the subapace f(A) of the product space ΠX_α.Show that the image
> under f of each element of T is an open set of Z.
> 
> 「Aを集合とし,{X_α}_α∈Jを添数付けられた(位相?)空間の族とし,

"space" としてあるところは「位相空間」とお考え下さい.

> {f_α}_α∈Jを添数付けられた写像f_α:A→X_αの族とせよ。
> (1) 各f_αが連続となる事に関連したA上の最弱位相Tが一意的に存在する事を示せ。

! (1) それに関して各 f_α が連続となるような A 上の位相で
!     最弱なもの T が一意的に存在することを示せ.

> (2) S_β:={f_β^-1(U_β);U_βはX_βでの開集合},
>     そしてS=∪S_β…(*)とする時,SはTの準開基となる事を示せ。
> (3) 写像g:Y→AがTに関して連続⇔各合成写像f_α。gは連続。
> (4) f:A→ΠX_αをf(a)=(f_α(a))_α∈J;
>     Zは直積空間ΠX_αのf(A)の部分空間を表す。
>     Tの各元のfの像はZの開集合になる事を示せ。」

! (4) f: A → ΠX_α を f(a) = (f_α(a))_{α∈J} で定める.
!     f(A) に直積位相空間 ΠX_α の部分位相を入れて Z とする.
!     T の各元の f による像は Z の開集合になることを示せ.

> (1)については
> 各f_αが連続だというのだから∀t_α∈T_α(但しT_αはX_αの位相),
> f_α^-1(t_α)はAの開集合(…という事はAは何らかの位相を持っている?
> その位相をTとしておく)。

その T を決めようという話ですね.

> f_α^-1(T_α)⊂Tになっていなければならない(∵連続の定義)。

これはその通り.

> よってT=∪[α∈J]{f_α^-1(t_α)∈2^A;t_α∈T_α}…(ア)と採ればよい。

これは (2) の S に他なりませんが, S は「位相の定義」を
(一般には)満たしません.

  T が X の位相 ⇔
    1) φ (空集合), X ∈ T.
    2) U, V ∈ T ⇒ U ∩ V ∈ T.
    3) U_λ ∈ T  (λ∈Λ) ⇒ ∪_{λ∈Λ} U_λ ∈ T.

> 何故なら,もしT'⊂Tとなる真部分集合になっている
> Tより弱く全f_αを連続にさせる位相T'があったとすると
> ∃α_0∈J;f_α_0^-1(t_α_0)∈T\T'でこの場合,
> f_α_0はT'においてはf_α_0(t_α_0)で不連続になってしまい,矛盾。
> よってTが題意を満たす最弱の位相。最小の定義から一意性も保障される。 (終)

ですから T を (2) の S としたのでは間違いです.
 
> (2)については今,S=∪[β∈J]S_β={s∈2^A;∃β∈J such that s∈S_β}…(**)
> となっていて, ∪[s∈S]s=Tとなる事を示せばよい(∵準開基の定義)。

準開基の定義はこれとは違います. 開基の定義とも
ちょっと違う. お確かめ下さい.

> ∪[s∈S]s⊂Tを示す。
> ∀s∈Sを採ると(*)より,∃β∈J;s=f_β^-1(U_β).
> よってこれは(1)でのTの元になっているのでs∈T.
> ∪[s∈S]s⊃Tを示す。
> ∀t∈Tを採ると∃β∈J;t=f_β^-1(t_β) (但し,t_β∈T_β)(∵(ア))
> よってS_βの定義(S_β:={f_β^-1(U_β);U_βはX_βでの開集合})から
> f_β^-1(t_β)∈S_β.
> よって(*)よりf_β^-1(t_β)∈∪[s∈S]s(∵(**)). 以上より T=∪[s∈S]s.

 ∪_{s∈S} s というのは A にしかなりません.
 S = (あなたの)T というのは, 先に述べた通り.

 (1) と (2) は一度に解決するものなので, 分けずに
考えた方が良いと思います.

> (3)については
> f_αは連続(?)なので
> "⇒"は連続写像同士の合成はまた連続なので明らか。
> よって逆を示す。
> まずf_α。g:Y→X_αは連続だと言うのだから∀t_α∈T_α,
> (f_α。g)^-1(t_α)∈T_y (但し,T_yはYの位相)…(***)と書ける。
> そしてこれは(f_α。g)^-1(t_α)=g^-1(f_α^-1(t_α)) (∵逆写像の定義)と変形でき,
> f_α^-1(t_α)∈T_α⊂Tだったので纏めると,,(***)から
> ∀f_α^-1(t_α)∈T,g^-1(f_α^-1(t_α))∈T_yと書け、gは連続。
> 
> 実はf_αは連続を使わないと"⇒"が示せなかったのですが
> ここではf_αは連続は使えないのでしょうか?
> そうしますとどうすれば"⇒"が示せますでしょうか?

勿論, 位相 T についての話ですから, f_α は連続です.
逆の方は, T の定義が違いますから, 正しい T については
少し証明を変更する必要があります.

> (4)についてはf(a)=(f_1(a),f_2(a),…)となっていて
> 
> 『ΠX_αの直積位相T_pはT_αをX_αの通常の位相とすると
> S:=∪[α∈J]{π_α^-1(U_α);U_α∈T_α}
> (Λは可算な添数集合,π_αは射影)
> とするとこのSはΠX_α上の準開基をなし,
> B:={∩[s∈S']s;S'⊂S,S'は有限集合}はΠX_α上の開基をなし、
> これから生成される位相T_pは
> T_p:={∪B';B'⊂B}(={∪[b∈B']b;B'⊂B}の意味)と書ける』
> 
> Z(⊂f(A))の位相はT_z:={f(A)∩t_p∈2^ΠX_α;t_p∈T_p}
> と書ける(∵相対位相の定義)。

良いでしょう. (集合としては Z = f(A) です.)

> それで示す事は∀t∈T,f(t)∈T_zである。
> ∀t∈Tを採ると∃α∈J;t∈T_αそして,f(t)=(f_1(t),f_2(t),…)となり,

 T の定義が違うわけですが, t ∈ S としても
∃α∈J, ∃t_α∈T_α, t = f_α^{-1}(t_α) ですね.

> 今f(t)⊂f(A)なので
> f(t)∈T_zである事を示すにはあとf(t)∈T_pである事を示せばよい。

 f(t) = f(A) ∩ t_p  となる t_p ∈ T_p の存在を示すことに
なります.

> f_1(t)∈T_1,f_2(t)∈T_2,… なので(∵f_1,f_2,…は連続?)

 f_α が連続でも, 開集合 t の像 f_α(t) が開集合で
あるとは限りませんから, この推論は成立しません.

> よってf(t)∈Π[α∈J]T_α
> 、、、でここからf(t)∈T_pに持っていけません。
> どうれすればいいのでしょうか?
> あと,この(4)の証明でも「f_1,f_2,…は連続」という条件を使ってしまったのですが…
> どうすればこの条件を使わず証明できますでしょうか?

それらが連続になるような位相 T についての話ですから,
当然それらの条件は成立していますが, それで解決する
わけでもありません.

 (3) と (4) は, T の代わりに S についてであれば
何を言えば良いか, それで T について言えた事になるか,
を考えて見られると良いと思います. 但し, 直積空間を
考えていることの特殊性も必要となります.
-- 
塚本千秋@応用数学.基盤科学部門.京都工芸繊維大学
Tsukamoto, C. : chiaki@kit.ac.jp