「旅は出会いと別れの連続で、同時に選択の連続でもあります」連作短編のアニメ化は、エピソードの選択の連続でもありますが、最後に来るのがこの話というのは、原作既読者の誰もが納得いく選択でもあります。これは3巻最後のエピソードで、実は一回これで完結しているんです。連作短編故に伏線らしい伏線はほとんどない作品ではありますが、最大の(後付け)伏線である『タイトル』が回収される話なんですよね。
あなたの願いを叶える国、そこはロンダルキアのハーゴン神殿(違)。もとい、過去に見たことがあるような場所ばかりが集まった地。「私、こんなことは願っていませんが……」願いと称して精神攻撃してくる罠か、あるいは深層心理を掘り下げて責め立てる罠か(罠しか無いんかい)。花畑や切り裂き魔の人形、ロストルフの時計塔は印象深いですね。そして、ミラロゼの城。正直者の国の王城より大規模なところでしたからねー。
眼鏡のイレイナ「あなたは安全な私ですか? それとも悪者の私?」「その眼鏡、いくらしたんですか?」それを真っ先に聞きますか主人公の私(^^;;; 「私って、全部で何人いるのですか?」「全員で何人かは判りませんけど、ここにいるのは15人です」何故ぼくはここにいないんですかー!!(血涙サヤさん) いや、サヤさんがいたら絶対収集付かなくなってましたけどね、というかサヤさんが叶えたい望みは一点突破でしょうけど……。
「テンションが高いので、灰の魔女ならぬハイの魔女イレイナです」イレイナさんハイ(古!)。英語版なら、Ashen witchならぬRashen witchとかそんな感じでしょうかね(rashenなんて単語はありませんが)。アホの子の私、女の子(自分)大好きな私、胸の大きさに異様なコンプレックスを抱いている私、ちょっとやさぐれた私(吹き出しを蹴るのに笑いました)、いやらしい私、イタい私、(サヤさんに)恋する乙女の私、心に深い闇を抱えた私、2人目、3人目、外国人かぶれの私、ゲル状の私、グールになった私。あ、ちゃんとグール出たんですね。グールの国の話をやっていないから、省略されかねないと危惧してました。「そして私は知的な私」「自分で言っちゃうんですね……」「事実ですから」何度も言うけど、イレイナさんは本気でそう思ってますからね! だから他のイレイナさんズもみんな本気でハイだったりアホだったり中二病だったり闇だったりなんでしょう!
「そちらの私にも何か呼び名を付けたいと思んですけど」今までもこういう感じで収集付かなくて、知的なイレイナさんが決めてたんだろうなーって。やさぐれイレイナさんとか反発しそうですけど、だからって他の呼び名を考えたりはしないでしょうしね。「無個性という短所的特性を敢えて長所っぽく言い変えてみました」イレイナさんはとても個性がある人ですけど、イレイナさんズの中では埋没しますよね……。だからこその、主人公になれていますか。OP「リテラチュア」はこの話を前提にした歌詞ですよね。
今16人いるイレイナさんズの他に、
突然の襲撃で「グールの私が死にました!」いや最初から死んでますけど。「ゲル状の私も潰されてゲル状になっています!」いや最初からゲル状ですけど。溶けてゾル状になった……とかいう作品がたまにあっても良いんじゃないかな、って思います。「あ、生きてる。ちぇ」いやだから最初から生きていると言えるのかどうか。現れたのは粗暴なイレイナさんこと、髪が短くて目に隈ができたいかにも睡眠不足なイレイナさん。今までどれほど苛まれ続けてきたのかと思うと気の毒ですけど、苛まれ続けなかったイレイナさんにしてみれば僅かな違いでしかないんですよね。「私が私を一人残らず始末してあげます!」「14人(グールとゲルを除外)の私を相手にして勝てるとでも?」「私は貴方たちのような脳天気な世界を生きていないんです」コメディ話が一切無い、鬱話ばかりの旅々を続けてきたイレイナさん……と思うと納得できるかも。
ハイを魔女の巻々にし、偽乳を串刺しにし、闇1~3をTomakにし(違!)、その他大勢は触手に捕らえ……いや闇1~3、いざ動けば普通にイレイナさんらしい天才魔女ですね。口から出るのはグールと変わらないような戯言ですけど。「貴女はどうして髪を切られたままなんですか?」「私には髪を元通りにする気力が無かったんです。私はあの国で、誰一人として救えなかった……あなたは見たことがありますか、目の前で愛情が憎悪に変わる瞬間を、ついさっきまで愛しいと感じていた人間に殺意を向ける瞬間を!」第9話の後、第10話はほぼイレイナさんが登場しないインターミッションでしたから、その間に立て直すことができましたが、第9話の後が第8話だったら、イレイナさんはシーラ先生に協力することができなかったと。「あなたはその後切り裂き魔に髪を切られたんですか? 私とは随分違う旅をしてきたんですね」この状態でサヤさんと出会ったら、拒絶どころかサヤさんを攻撃しかねないですね。フラン先生やシーラ先生だったら止められるでしょうけど、救うことはできない気がしますね……。
「この国は願いを叶える国です、私は辛い思いをせずにのうのうと旅をしているだけの私が許せなくてきっとここに来たんです! 他の私にも私と同じような思いをさせるために!」多分、みんな同じ思いはしてきているんだと思いますね、乗り越えてきたか、時間が解決してきたか、まだ解決していないかの違いで。……アホの子あたりは体験していない気がするけど(^^;;; 「それは貴女の願いであって、私たちの願いではありません」「だったら何が私たちをここに集めたって言うんですか!」集めたというか基本は主人公のイレイナさんが垣間見た夢だよね、少なからず具現化はしているとしても。
「私が心の底でなんとなく願っていたことを教えてあげます。……私は、他の私と出会うために、ここに来たんです。きっと別の可能性を見たくて、仕方がなかったんでしょう」マルチルートのゲームをプレイしていて、プレイヤーはともかく登場人物は、他のルートを辿る自分であって自分でない自分をどう思うか、ってテーマもあるよね。「あなたもきっと私と同じように、他の私に憧れを抱いていたんです。時計郷ロストルフでの悲しい出来事の渦中にいなかった私への憧れが、貴女をここへ連れてきたんです」アホの子はむしろ粗暴が連れてきたってことですかね? 主人公にとってはあまり必要としていないタイプのような気がしますし。「……そんなの、自分勝手です」「ここには自分自身しかいませんよ」街を壮絶に破壊していたのは、中に^H^H他に誰もいないと判っていたからですよね。
「王宮に戻った私たちは、それぞれの日記帳を持ち寄り、互いの旅の物語を回し読みしたのです」なんか増えてる(^^;;; 忍者の私、筋肉の私、六つ子の私、猫耳の私、これで26人だけどあと誰がいる? あ、緑色のがグールじゃなくて植物の私ですか。「いつかこれを本にしませんか。ニケの冒険譚を越える、私たちの物語を」イレイナの冒険譚、レッツゴー!イレイナ、百合の花咲くイレイナ、貴女も巨乳になれる!、正しいガンの付け方、金貨を1兆枚儲ける方法、イレイナ夢日記、サヤさんと私の愛の日々♥、イレイナ地獄変、イレイナ天国への階段、おうちがいちばん、ハラショー!、(うぎゅ~)、(あ゛~)、「私の皆さん、真面目に考えてください!」イレイナさんは本気でこのタイトルが良いって思ってますからね! 特定方向に特化していないイレイナさん(主人公、知的、元粗暴)が考えないと。というか、みんながみんなそれぞれの本を書くんだから、タイトルも別々で良いんじゃない? 主人公のイレイナさんは『魔女の旅々』ってことで。
目覚めると誰も居ない、何も無い、でも『魔女の旅々』と題が付いた日記帳は手の中にある。「澄み渡った青空を行く、そこに人が居たのなら間違いなく誰もが振り返り、溜息を零してしまうほどの美貌の魔女は、一体誰でしょう。それは旅をして、私の、私たちの物語、『魔女の旅々』を綴り続ける……そう、私です」これはこの後に三点リーダが続かないタイプの決め台詞ですね。視聴者の視点からだと、粗暴なイレイナさんのみならず主人公のイレイナさんも、時計郷ロストルフでの出来事をトラウマにしていない、吹っ切れはしないけど胸に抱えたままでも前に進んでいることがはっきり示された回でした。この先も様々に喜劇だったり悲劇だったりがある訳ですが、すべて余さず日記帳に綴られ語り続けられて行くのでしょう。伝えたい人のために。
C: 本を読みながらどころか、書き付けながら歩く女・アムネシアさん。イレイナさんとぶつかった拍子に、『魔女の旅々』はアムネシアさんの手に、『朝起きたらこれを読みなさい』はイレイナさんの手に。「私はまだ知りませんでした。これから先、彼女と共に旅をすることを」4巻はまるまるアムネシアさん回ですからね。旅々では数少ない中編なのです。サヤさんとの邂逅は15巻に至るまで一度も無いんですけど、ドラマCDでは毎回のようにイレイナさんを巡って張り合ってます。そう、イレイナさんに落とされた子の一人なのです。
総合評価……☆☆☆☆☆(放映前のイメージボードの時点で相当なものがありましたが、背景作画が前代未聞級の美しさ。キャラクター作画もそれに負けておらず、しかも最後まで一度も崩れませんでしたよね。近年は昔ほどの破綻を見せる作品は減っていると聞きますが、それでも本作のレベルはかなり希有なところにあったのではないかと思います。ストーリーは原作から細々と改編が感じられましたが、敢えて読み返ししないようにしていたので、はっきり憶えているところ以外は初見とあまり変わらない感じで視聴できました。なので違和感は特に覚えませんでしたし、この後で読み返したらそこで色々発見できるのではないかと思います。オンタイム視聴するだけの価値は充分にありました)……で、評価5を付けた後ですが、ちょっと難を感じた部分について。最後のアムネシアさんです。6話7話くらいまで進んだところで、このペースだとアムネシアさんの話はやらないだろうな、やるとしたら2期になるだろうな、ということは最終話でアムネシアさんが顔見せする可能性があるけど、それをやったら2期は無い(少なくとも分割2クールのようなスケジュールにはなっていない)ということだろうな……と予想していたんです。で、実際このようにしてアムネシアさんが顔見せしましたから、むしろ2期をやる可能性が下がった気がしています。売り上げが大いに伸びれば良いのでしょうけど。でも2期云々を措いといたとしても、私、こういう「アニメに登場しなかった原作の人物」を、最終回Cパートでチラ見せする演出が好きじゃないんです……。もし私が原作未読だったとしたら、ここで評価を下げた気がします。実際そういう下げ方をした前例がありますし(「DearS」「ケメコデラックス!」「ハヤテのごとく!」)。
会社(自宅)帰りに武蔵境。文教堂武蔵境駅前店にて、
以上購入。先週、NHKテキストを買い忘れたので、年内に買っておかないとと思いまして。リンナ警部は……あまり買う気が無かったんですよね、同人版は好きだけど、どうもタイトル変更で違和感を拭えなくて。だけど迷っているうちに、誓約の宝冠が出ていることに気が付いてしまって、こっちかうなら一緒に買ってしまえーとなりました。
もう仕事納めになっている人もいるというのに、私は休日出勤ですorz 会社としての最終日は29日ですが、28・29と休みを取っている人が多いのですね。私は29だけ休みにしているので(その代わり年明けに余分に休みを増やしている)、もともと仕事納めは28日の予定でしたが、土日もあるというのは想定外……。
そんな本日、おとどけモノがあったりもしましたけど、仕事が終わってから急遽出発。鈴木街道、青五短絡線、青梅街道、千川通り、新青梅街道、新目白通り、目白通り、後楽園、壱岐坂、明神坂と通って秋葉原。COMIC ZIN秋葉原店にて、
以上購入。自転車旅行記の続きが出たということなので、当然ZIN実店舗で買わない訳にはいきません。……先日、別の書店で、りすか文庫版全3巻を見つけていたんですよ。未完なのに文庫化されたのかーと思って3巻の最後をチラ見したら、なんか書き下ろしで完結しているっぽい??? と思って、今日、唐突に4巻が出ていたので、即座に買いました。「17年の時を超え」なんて帯に書かれてますよ。ダトルっぽい感じもしますね。
BEEP秋葉原店にて、
以上購入、って後者は特典ですけど。
帰りもほぼ同じ経路ですが、千川通りを逆方向に進むと上井草で右折禁止に嵌まるので、新青梅街道から東伏見駅経由で青五短絡線(千川上水緑道)に直通しました。22:30帰宅。
今日が実質的な仕事納めです。暦の上での最終就業日は明日だけど、休みを取っていますので。むしろ今日既に休んでいる人が多いので、部署で本日就業しているのは私のほかもう1人だけです。……そして、私は昨日一昨日も仕事してました……。
ヨドバシドットコムより、
以上到着。立て替え払いですが会社の予算で買った本です。勉強できるものがあるって良いね。
もう1年も終わりですね。なのにFani通作業が終わりませんね……。今回はスケジュールが例年とずれているので、まだ原稿募集中であり、作業も並行校正段階です。……そして、昨日で校正が(途中ですが)一段落したので、ようやく自分の原稿を書く準備をしているのです。
原稿を書く準備、というのは……アニメを観ること。はい、またしても本年度、上半期には1作品も観ていないものですから。下半期は既にテレビアニメ1作劇場アニメ1作を視聴済みですけど、上半期が0なのです。そして今作成中のFani通は2020上半期。このままではまたしても対象作品数0になってしまう、ということで、最低1作品は観ないと、と思っていたのです。
で、まあ、何を観るかは上半期リアルタイムでもそれなりに目星を付けていて(ドーラーの方々の評判を信用しています)、11月には既に全話分のニコニコポイントを購入済みだったんですが、そのまま購入ページを保持しただけで、実際に観る時間を確保できていなかったんですね……。それで大晦日になった今日(それも午後)、ようやく視聴を開始したのです。最終的にFani通原稿を速攻で書き上げることが目的なので、毎話ごとにそこそこのメモを残しながら、全12話中8話まで1日で見終えました。残り4話は元日に見ますよー。