◆19:51 7回裏 プロミストアイランドの攻撃(?)

〔これまでのお話〕 スーパーロボット大戦α シナリオ2
          「コロにーちゃんの堕ちた地で」   (大嘘)

> そしてプロミストアイランド。思わず目を瞑ってしまったセーラー
> チームが再び恐る恐る目を開けた時・・・
                    何とまだ島はあった。

まこと「ど、どうやら島は消えなかったらしいな。」
レイ 「ガオガイガーとは違って、一応リアル系だもの。」
美奈子「ウィング勢は、十分スーパー系だと思うけど。」
亜美 「あぁあ美奈子ちゃんまで。」(^^;)

 しかし島が残っている以上、当然両機とも健在で在った。全くの
焼け野原になり球場はおろか地上の設備の殆どが消え去ったしまっ
た荒野そのもののプロミストアイランド上で、今度は背中に大型の
フィンを背負っている白いガンダムと、前よりもっとギミックが増
えたらしい事が一目で判るチャイナ風ガンダムが戦っている。

美奈子「えーと、どっちがどっち?」
レイ 「白い機体がRX-93νガンダム、と言う事は此方が衛さんね。
    もう一方はXXXG-01S2アルトロンガンダム。成る程、此方
    も伊達に戦火を潜ってないと言う事ねぇ。」
まこと「レイちゃん、どうしてνガンダムとかが衛さんなんだい?」
レイ 「え? だって衛さんが乗り継いだ最後の機体なんだもの。」
亜美 「だからどーして・・・て言うより、最後!?」

 は、として地上で組討つ2機を見るセーラーチーム。と、どうや
ら飛び道具の無くなったらしい両機が壮絶な殴り合いを繰り広げて
いる。しかしどうやらνガンダムの方が優勢らしく相手の繰り出す
パンチを掻い潜り腕を捕まえ、相手の期待の顔面へ数発パンチを入
れ投げ出す。まるで地球に落下途中のアクシズのように荒れ果てた
プロミストアイランドの上を転がり、中の球体コクピットが転がり
出るアルトロン。これを拾い、高々と掲げるνガンダム。勝利、か?

美奈子「やーったやったやった!衛さんが勝った!」

 が、その瞬間。νガンダムの背中に強力な粒子ビームが命中した。
かろうじて背中に背負ったままのファンネルの御蔭で機体は守られ
たものの、たまらず膝をつくνガンダム。ビームが飛んできた方向
を見れば、今度は翼の両側に巨大な円筒を、まるでその中に1本で
日本全土を賄えるほどの電池を収容している様な機体が、抱える長
大な砲身から粒子ビームを撃ちまくっている。これを見てレイがま
た悲鳴を上げる。

レイ 「セルファイター! いぇ、ヴァルカラ! そんな、あれは
    うさぎが乗っている筈なのに!」

 とは言え結局セルファイターである機体。これを操りなれている
のは、寧ろ此方。と言う訳でコクピットだけになった味方を援護し
ながら、セルファイターのコクピットにいる兄ちゃんが叫んだ。

兄ちゃ「ハンガーとブーツを打ち出す! 空中換装しろ! 大丈夫
    だ、コンピュータが全部やってくれる! シューート!」

 機体の両脇にあるポッドからカプセルが打ち出された。外殻を爆
発ボルトで吹き飛ばしたカプセルの中から、まるでロボット、いや
モビルスーツの肩と両腕と胴体だけのような機体と、同じくモビル
スーツの下半身だけのような機体が飛び出す。と、同時にこれへ注
意を払っていたνガンダムの手にあったコクピットが同様に爆発ボ
ルトで外部装甲を爆発排除し、折りたたまれていた翼やコクピット
ノーズやスラスターを展開させ、νガンダムの手の内から飛び出す。

美奈子「なになになになにー!」
亜美 「うそ!」
レイ 「そう! ウッソが乗っていた機体!」
まこと「いや、亜美ちゃんが言ったのはそーじゃなくって」(^^;)

 外野の洒落じみた悲鳴には委細構わず、νガンダムから逃れたコ
クピットことコアファイターは真っ直ぐ、空中を飛ぶハンガーとブ
ーツへ向かった。そのまま空中で変形し、コアブロックへハンガー
とブーツが取り付く。ほんの一瞬で、今度は随分と小柄なモビルス
ーツ、いやこれもガンダムが完成した。まるでアクセントのように、
胸の前に輝く「V」の文字のように尖った装甲が目立つ。

美奈子「レイせんせー、教えてくださーい。」
レイ 「LM312VO4ヴィクトリーガンダム! いえ、背中にある光の
    翼からするとLM314V21V2ガンダムね!」
亜美 「レイちゃん・・・ひょっとしたら、メチャ楽しくない?」

 今度は少年役ばっかりのよしみらしく、見事に今度は正史から年
代を越えて借り出した機体を駆り、νガンダムを翻弄する。

山田 「騙した様で悪かったかな!? だが、この程度のマジック
    で惑わされちゃ困るよ! けれどこの犯罪芸術家こと怪盗
    キッドのトリックを見破れるのは、この俺!工藤新一のみ
    だけどなぁ!」

 高校生探偵なのか高校生怪盗なのかはっきりさせて欲しいところ
だが、まぁ細かいところは兎も角として、明らかに時代が進んだ小
型の機体に今度は翻弄される一方のνガンダム。見る見るうちにボ
ロボロになってゆく。が、またまた爆発するガンダム。

まこと「・・・今度は?」
美奈子「あたし、もーいー。もー帰りたーい。」
レイ 「駄目よ! こんなの、もう2度と見られないんだから!」
亜美 「そんな、ポルコとカーチスの空中決闘じゃないんだから。」
まこと「・・・亜美ちゃん、宮崎駿監督劇場版だけは見てるの?」
亜美  (*''*)

 爆煙の中から登場したのは、此方も一回り小型のガンダム。即座
に地上から舞い上がり、背中に垂らした長大なフィンをぐるっと脇
の下を通してLM314V21V2ガンダムに向ける。

美奈子「あれ?翼を相手に向けて、どうしようっての?」
レイ 「いいえ、あれはヴェスパー! 一撃でモビルスーツを屠る
    強力なビーム砲! そんな、サナリィからF91を持って
    これただなんて!」
亜美 「やっぱりレイちゃん、楽しそう・・・」(^^;)

 が、V2ガンダムはこれへ回避運動を取らなかった。そのまま地
上に降り、悠然と構える。と、見れば背中の羽が変わっていた。い
や、どうやら機体全体も変わっている。これまで翼の様だった背中
のフィンがゆっくり展開し、背中に「X」の巨大な文字を背負って
いる様に広がる。同時に背中へ垂らしていた長大な砲が肩口へ上が
り、これを正面に膝立ち姿勢で構える。ここまでを見た瞬間、また
レイが悲鳴を上げた。

レイ 「月は出ているか!?」
美奈子「きゃ! レ、レイちゃん、いきなり何!?」
レイ 「答えて! 月は出ている!?」
亜美 「え、えぇ。今日は良い天気だから。」
レイ 「きゃーー! 逃げてぇ!」
まこと「レイちゃん、じゃ、あの機体は!?」
レイ 「GX-9900ガンダムエックス!」

 一瞬、遅かった。所詮、前大戦を同系機に乗ってビットモビルス
ーツを操っていた訳ではなし、レイちゃんがジャミルほど心当たり
が無い事を責めても仕方が無い。月からのパイロットビームに引き
続き、月から照射されたマイクロウェーブのエネルギーをきっちり
ビームに変換して、GX-9900ガンダムエックスは上空のF91へビー
ム砲を撃った。ほぼ同時に励起を終えたF91もヴェスパーを撃っ
たものの、森一つを消滅させたGX-9900ガンダムエックスと比べては
出力が違いすぎる。ヴェスパーのビームが掻き消され、次にF91
の機体が打ち抜かれた。爆散するF91。悲鳴を上げるセーラーチー
ム。だが、しかし。

まこと「みんな!見て!」

 上空でバラバラになったF91・・・と思われていた機体の破片
が、不思議な挙動を見せていた。頭・手足・胴体・その他にバラバ
ラなパーツに分かれた機体が、まるで誰かが制御している様に空中
を舞う。一瞬後、それは1点に集まり、再びロボットの形を取った。
これを見たレイが、またまたまた悲鳴を上げる。

美奈子「今度は何なの、レイちゃん?」
レイ 「もう、もう駄目よ! 衛さんは負ける! 世界が滅ぶ!」
まこと「そんな大袈裟な。」(^^;)
レイ 「大袈裟じゃないのよ! あれがなんだか知ってるの!?」
亜美 「・・・鋼鉄ジーグ?」
まこと「亜美ちゃん・・・あんた・・・」
亜美  (*''*)
レイ 「違〜う! 世界を滅ぼした蝶の肩翼、ターンX!そして!」

 はっとして地上のGX-9900ガンダムエックスを見るレイ。だが、
其処にいたのは最早ガンダムエックスではなかった。これまでの
ガンダムとは全くデザインラインを別にしたガンダムが其処にいた。
なんとこれまで額に付いていたアンテナが、顔の下に付いている。
これを見た瞬間、笑い出す3人。

美奈亜美まこ「ひ、ひ、ひげー! ひげよー! ひげひげー!」

 げらげらげら、と笑いが止まらない3人を他所に、レイは冷静に
言葉を繋いだ。

レイ 「遂に・・・行き着く所まで行き着いてしまったのね・・・
    もう黒歴史を封印する事は止められないのね…、ターンA」

 ゆっくりと地上のターンAに近づくターンX。まるでそれまでの
戦いを互いに讃え合うかのように、互いの両肩を抱く。これを見た
レイが再び悲鳴を上げ、皆に逃げる様に叫んだものの、ターンAの
「ひげ」を見て笑い転げている3人にこの声は届かなかった。そして…










 全てが始まり(∀)、全てが終わった(X)。










 発動した「月光蝶」により全てをナノマシンの群体で食い尽くさ
れたプロミストアイランド。いまは茫漠たる海洋が波打つばかり。
なお全てを食い尽くされる前に、島にあったマザーコンピュータは
「7回裏。無得点。チェンジ。」だけを最後のメッセージとして、
沖合いでこのスーパーロボット大戦を見ていたクルーザーの両軍に、
食い尽くされるチップの演算能力の全てを掻き集めて伝えてきた。





    最後まで死力を尽くして戦った勇者3人の行方は、

      海だけが知っていると言うことだ・・・。




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