ストーリー:
日本で普通に暮らし普通に学校に通っている普通の女子高生, のように見える真紅果林。しかし実は彼女の一族は, 200年ほど前に大陸から渡って来た吸血鬼だった。当然家族全員が吸血鬼であり, 生活は夜型, 日光を浴びると焦げる, ニンニクが苦手, コウモリを操る, 人の血をすすって生きている。……果林以外は。
果林は吸血鬼の「規格外」「落ちこぼれ」と呼ばれていた。思いっきり昼型生活で日光も平気, ニンニクなど餃子屋でアルバイトできる位に何ともない, でもコウモリは言うこと聞いてくれない。挙げ句の果てに吸血しなくても勝手に体内で血が増えてしまい, 壮絶に鼻血を噴いてぶっ倒れる……吸血鬼ならぬ「増血鬼」なのだった。
ある日, 果林のクラスに雨水健太という男子が転校してくる。初めて彼を見た瞬間, 果林はいきなり増血が加速し卒倒してしまった。普通の吸血鬼には, 吸血欲がかきたてられる「好み」とでも言うような人間の性質がそれぞれあるのだが, 果たして健太の何が果林の「増血」をかきたてているのだろうか――?