In article <cb460r$b5p$1@caraway.media.kyoto-u.ac.jp>, Yamasaki.T wrote:
>> >>  北朝鮮の軍や核に対しては、政治家ならばリスクとして対応を考え
>> >> るのが仕事なのだから対応するでしょうし、難民に対してだって同じ
>> >> ことです。
>> >
>> >いえ、ですから「北朝鮮の軍や核」にリスクなどないでしょ、と言いたい
>> >わけです。まあ、0とはいいませんが、政治的外交的になにか対応す
>> >る優先度は非常に低いと考えます。
>>
>>  どのような根拠を元に、「ないでしょ」と言いたくなるのでしょう?
>
>一般マスメディア経由の情報が根拠ですね。
>たくさん餓死者がでているとか、その他いろいろな情報から勘案する
>と、北朝鮮の経済力・工業力・技術力どれもが非常に低いと考えられ
>ます。したがって北朝鮮が海を隔てた日本の軍事的脅威などとは考え
>られない、ということです。

 「一般」とは具体的に何なのでしょう。
 もしも軍事を専門とするメディアではない、という意味なのであ
れば、それはあまりに薄弱です。軍事の話をしていて軍事筋のソー
スを出せないのであれば、その判断はそうとう信頼性は低いもので
す。

 第一、軍事的脅威というのは相対的なものです。自衛隊が文字通
りの意味で「戦えない軍隊」である以上、軍事にだけ力をかけてい
ると言っていいくらいの北朝鮮軍と自衛隊を比較すれば、北朝鮮軍
は十分脅威です。
 例えば、潜水艦が座礁して韓国に上陸してしまった北朝鮮軍の十
数名の北朝鮮軍を排除するために、徴兵制を敷き朝鮮戦争を体験し
ている韓国軍が数十倍の兵員を要した事例があり、実戦経験を経た
北朝鮮軍は無条件に侮っていい相手ではありません。

>>  Shiro 氏の「軍や核」という指摘に対し、関連抜きに「難民」とい
>> う項目だけを挙げたということは、「軍や核」か「難民」かという二
>> 者択一の問題だと捉えていることを意味します。
>
>私にはなぜそのような解釈になるのか完全に謎です。
>Aという指摘に対し「AではなくBである」と言ったつもりですが、
>すると、私は「AかBのどちらか一方しか成り立たない」と考えている
>ことになる、ということですか?
>「Bしか成り立たない」と考えていることを伝えたかったのですけどね。
>なぜに、これが「二者択一」なのか、もっと分りやすく平易な解説をお
>願いします。

 自分でそれを解説している自覚が無いようですね。

 その「AではなくBである」という構造を、世間では二者択一と
呼びます。選択肢としてAとBの2つしか見ていないのですから。

>> >軍や核は、あくまで政府の道具にすぎません。したがって、政府(官僚や
>> >政治家)にとっては「一般論として正しい」と思いますよ。しかし、一般
>> >民衆にとってはどうでしょうか。なにか役に立った例がありますか?
>>
>>  アメリカやヨーロッパが先進国としての地位を維持している一因が、
>> 非先進国に対する軍事的優越です。その結果、一般民衆であっても非
>> 先進国の富裕層並かそれ以上の生活レベルを維持しています。
>
>それは幻想です。軍事力による収奪で直接的な利益を得る連中のふり
>まくデマです。軍事的優越などなくても「非先進国の一般層より
>(物質的には)とても豊かな生活レベル」の維持は容易です。
>#非先進国の富裕層って先進国ではそうそうお目にかかれないくらい
>#とんでもなく富裕な例が多いように思います・・・

 それは幻想です。
 軍事的優越が、高い生活レベルを維持する柱の一つです。

 「容易」というだけで、なんら具体案も出ないし、「連中」が具
体的に誰なのかも示せていないし、「非先進国の富裕層」が例外な
く「非富裕層」に対する軍事的優位にあることも見えていないよう
ですし。
 具体性無し、都合の悪いことは無視、という点は、幻想であるこ
との証拠です。

>>  他方で、小泉首相が金正日にあれほどナメた態度を取られるのは、
>> 軍事的圧力を日本が持たないからです。
>
>いえ、ブッシュのポチ公である小泉首相を相手に最大限の敬意を
>はらってくれたと思います。

 「最大限の敬意をはらっ」たとは、具体的に何をした点について
言っているのでしょうね。
 外交のプロトコルというものについて、何も知らないのではない
でしょうか。そうでないことを祈っていますから、具体的に挙げて
下さい。

>> その結果、拉致された数も知
>> れない一般民衆は帰国できずにおり、その数倍に及ぶ家族は悲しみに
>> 沈んでいるでしょう。
>
>数も知れないってどれぐらいですか?
>(薬害エイズ被害者より少ないんじゃない?)
>で「軍事的圧力」とやらがどうしてかれらの帰国の役に立つとお考えですか。

 「数も知れない」とは「どれぐらい」が分からない状態を指しま
す。まず辞書を引きましょう。

 そしてまず、軍事的圧力があれば、そもそも拉致という事件はこ
れほどの規模で起きることはありませんでした。
 拉致が行われ続けたという事実は、領海に不法侵入した国籍不明
船を拿捕も攻撃もできないという異常な状態がもたらした結果です。
更に、外交オプションとして軍事力の使い道はそれこそ山ほどあり
ますが、それが全て使えないのだから、「どうして〜役に立つ」と
いう疑問を抱くことが不思議ですね。
 後にも出てきますが、もしかして、外交オプションとして軍事力
の使い道を何一つ知らないのでしょうか。

>>  この辺は常識レベルですが、軍事力に拠らず国際間の交渉を有利に
>> 進めることができた事例を、どれほどあげられるのですか?
>>  少なくとも、その逆の事例は汗牛充棟です。
>
>常識というよりプロパガンダにすぎませんね。
>こういう常識こそ、たまたま「軍事力」の被害に遭わなかった
>連中の「平和ボケ」と名付けたいですね。

 プロパガンダということにしたいようですが、無理です。
 実際、山崎氏は一つも事例を挙げられませんでした。

 結論として、軍事力に拠らず国際間の交渉を有利に進められると
いう山崎氏の主張は、単なるプロパガンダだったということですね。

>>  で、日本を舐めまくった態度を取っている北朝鮮に対し、軍事力以
>> 外の何でそれを打破できると考えているのでしょう?
>
>とりあえ、ほっときゃいいでしょ。気にしないことです。
>拉致された人を救うことが本当に大切ですか?

 問いに対しての答えになっていませんね。

 結論として、軍事力以外では打破できないということを山崎氏は
認めたということなのでしょう。

>> >> # この状態では、侵略されて対抗することなどまず不可能。現状の自
>> >> # 衛隊は、文字通り張子の虎だということは、知っておきましょう。
>> >
>> >大金投じてきた自衛隊が何の役にも立っていないことをよくご存知の
>> >様です。まさに無駄金です。やめて欲しい。
>> >#いや、災害派遣では役に立ってると思いますよ。念のため。
>>
>>  無駄金となっているのは、憲法や法制度の不備故です。
>>  そちらをなんとかして、無駄金となっている現状を生かす方向に
>> 変えることが大切なのです。
>
>そんな「大切」などありません。
>これまで「張子の虎」で済んでたものを何故いまさら本物の虎にしたがるのか。
>#要するに北朝鮮を空爆したいの?

 本当に、外交オプションとしての軍事力の使い道について、ほと
んど何も知らないのではないかという発言ですね。それでは「大切」
さも分からないでしょう。もっとも、それ以前に外交というものの
「大切」さも知らないのかもしれませんが。

 そもそも張子で済んでいたのは、直接的な脅威が無い状態で世界
最強国の一つだったアメリカと軍事同盟を結んでいたからです。北
朝鮮という直接的な脅威が明らかになってきた時点で、それだけで
は済まなくなって来ている現実が、見えていないようです。

# 要するに、外交オプションとしての軍事力の使い道に、空爆しか
# 無いと思っているのかも。

>>  これが約束できるなら、私から(*)のプロセスに入ります。
>
>約束などしません。

 では、私も何もしません。
 
>>  その上で、チベットやモンゴルが中国によって民族浄化されて地上
>> から消滅するケースが、「失敗」であることを示してください。
>
>#中国はチベットやモンゴルの「民族浄化」を遂行しつつあると
>#ご主張の様ですが・・・
>「民族浄化」は他国民にバレます。
>そして自国民にもバレます。
>そして、そんなことをやった政権は倒れます。
>
>以下、略・・・

 なんら失敗する必然性が示されていませんね。
 アステカの話は有名で、つまりバレていたわけですが、スペインが
滅びたのはそのせいではありません。無敵艦隊がイギリスに敗れたか
らです。
 中国が民族浄化を続けているのは単なる事実ですし、例えばハリウッ
ド俳優のグループ(ハリソン・フォードなどの有名所含む)がチベッ
ト侵略を公に批判しています。つまり、バレています。が、別にそれ
によって今の中国の政権が倒れそうになってすらいません。

 要するに、山崎氏は示すことに「失敗」したわけです。

 結論として、山崎氏の「必然」という主張は、崩壊したということ
ですね。

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頼光 mailto:raikou.j@jcom.home.ne.jp