安井@東大です。

>>> "yam" wrote in <LXEAb.1491$747.1083@news1.dion.ne.jp>,
>>>>  ただし、戦闘状態にある地域で敵側の外交官を
>>>>  射殺することはテロとはいえないって事くらいは
>>>>  理解しましょう。
>>
>> 大島 敬行さん in <br1rmk$1rr$1@cobalt01.janis.or.jp>,
>>> 「テロ」ではなく「戦争」と言う事になるのだろうか。
>> 
> "YASUI Hiroki" in <ymrmn0a2pa8p.fsf@as302.ecc.u-tokyo.ac.jp>,
>> 戦争状態の下においても、外交官を殺害することは認められていません。
>> 「外交関係に関するウィーン条約」は、外交官の身体を侵害することはで
>> きないと定め(29条)、その特権は武力紛争が生じた場合であっても存続
>> すると規定しています(39条1項)。
>> イラクはこの条約の締約国ですし、それにそもそも、外交官の身体不可侵
>> という原則は国際慣習法になっているものと見て差し支えないと思います。

ぷらとんさん in <br4ej9$74d$1@news511.nifty.com>,
> 現在、イラクという国は存在しているのでしょうか?

元々のyamさんの主張が“イラク国内の武装勢力による暴力行使は戦争行
為であってテロではない”というものであるならば、イラク共和国の存続
を前提としていなければ辻褄が合いません。戦争が主権国家の専権事項で
ある以上、私人の集団による暴力行使は戦争行為たり得ませんので。
もちろん、2003年4月ないし5月以降、フセイン政権はイラク共和国領土の
実効統治という要件を失っていますが、亡命政府もしくは地下抵抗活動と
いう形での存続を主張する余地はあります。
 # 言うまでもなく、その種の主張は“…ということにしたい”という性
 # 格を帯びてきますが。
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*  Freiheit  | 安井宏樹(YASUI Hiroki), jyasui@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp     *
*  Recht     | 東京大学大学院法学政治学研究科・比較法政国際センター      *
*  Einigkeit | (現代ドイツ政治,ヨーロッパ政治史)                        *