佐藤と申します。

"F.K." <kuwa_fs@ybb.ne.jp> writes:
> 
> *について可換半群(単位元の存在を仮定しない)なだけなら,正の有理数全体
> Q+というtrivialでない例がありますが,ほかに面白い例があるのでしょうか?

それを non-trivial だと言うなら、関数環の部分集合で「正値関数の全体」
が同様な例になりますね。しかし環に拡張できるのでは、あまりnon-trivial
という気はしませんので、他の例を。

可換環Aに対して、A加群(の同型類)の集合に、直和とテンソル積で
加法と乗法を定義すると、加法については可換半群ですが、それ以外の
環の公理は成立しています。この可換半群は、可換群に拡張できるとは
限りません。

たとえばAの無限個の直和に同型なA加群をV とすると A+V = (A+A)+V 
ですが、加法が群に拡張できるとすると両辺からVを引いて A=A+A となっ
てしまいます。AとA+A はA加群として同型とは限りませんので、群には
拡張できないことになります。

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佐藤達也