Article <40854769.BAAB4CE1@occn.zaq.ne.jp> にて、
       Karura Asagami <karura@occn.zaq.ne.jp> さん、

>  では本題。関西地方では4/3のド真夜中に放送されたアップルシード
> の宣伝番組を(ビデオに録ったものを4/20に)見ました。3Dライブ

サンプラザ中野と進藤晶子アナが出ていたやつでしょうか。それでしたら私も
見ました。

> アニメーションとか言う技法だそうで、セルを全く使わず、全てモーショ
> ンキャプチャで、顔の表情に至るまで物体の動きを「撮影」してコンピュー
> タ処理で色をつけるんですって。フルCGの作品なら今までもありました
> が、物体の動きを「計算」するんじゃなくて、「撮影」するのが新しいん

モーションキャプチャもトゥーンレンダリングもそれぞれはそれほど新しい技
術というわけでもないように思います。多少旧聞になりますが、ヤングマガジ
ンで連載されていた「RiNGO -digital apple magic-」という漫画がありまし
た。この中で全身・表情ともに反射マーカをつけてキャプチャするシーンがあ
りました。アップルシードではバラバラだった全身(アクション)・表情・声を
この作品では声優が全部やっていた設定ではありましたが。

この漫画、SEGAかnamcoに取材していたような覚えがあり、少なくとも全身の
モーションキャプチャはこの当時バーチャファイターか鉄拳あたりで既に実用
化されていた技術だったと記憶しています。

番組内でも
・中割りの限界(人間らしい動きの実現が困難)
・それでもセルアニメーション風の表現は必要
というジレンマを打破するための、モーションキャプチャと3D-CG+トゥーンレ
ンダリングというソリューションだったというようなことを言っていたような
気がします。

> だとか。それ自体は、技術の進歩ということで喜ばしいことではあるんで
> すが、士郎さん原作の作品のはずなのに、(絵に限って言えば)士郎さん
> の臭いがほとんどしなかったんですよ。つい最近まで上映されていた攻殻
> が士郎さんの臭いが充満しているのとは対照的です。もっとも、ブリアレ
> オスは技法が何であってもブリアレオスでしたが。

このあたりがパイオニアとしての限界かもしれません。過去、トゥーンレンダ
リングの作品として、映画ではありませんけれどもときメモ3とかゼルダの伝
説(風のタクト)とかありましたが、既に別のメディアで確立していたキャラク
タデザインを使うというのは今までになかったと思います。

ちなみに、トゥーンレンダリング+モーションキャプチャと思しきものとして、
これも映画ではありませんけれどもnamcoの「アイドルマスター」というアー
ケードゲームがありますが、これもそれ用に起こされたキャラクタデザインに
なっています。

http://www.namco.co.jp/aa/am/vg/idolmaster/

もっと技術が蓄積すれば既存の2Dアニメと同等、もしくはそれ以上の印象を与
えることができるのかどうかというのは気になるところではあります。

>  中年(失礼!)が多いf.r.animation erのことですので、アップルシー
> ドと言えば、15年前のOVAをご記憶の方も多いことでせふ。麻上もそ
> のひとり。M66やドミニオンと比べると、ちょいとばかし(絵に限って
> 言えば)「士郎臭」が薄い作品でしたが、現代版アップルシードと見比べ
> るとかなりましなように思えてきます。ですので、10代20代の若い人、
> 15年前のアップルシードを知らない人に「攻殻機動隊の原作者と同じ原
> 作者」と言って、はたしてどれくらいの人が「なるほど」と言ってくれる
> か。期せずして連続した(と、麻上は思ってる)士郎正宗2作品。「製作
> 費を回収できるんだろうか」と噂も立つイノセンスと、製作当事者の知ら
> ない所でいつの間にか話題になったアップルシード。さて、軍配やいかに。

今後のことを考えると、「次もしろまさ色が薄いようであれば見に行かない」
とか、言うべきことはきちんと言ったほうがいいんだろうなとは思います。fj
で言って伝わるかというのは別にして。

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中山隆二
nakayama.ryuji@anet.ne.jp