戦後最大となるか否か不明だが、今までと異質の犯罪が構成されている様子です。
 多くの金銭に絡む事件は政治家と行政官庁が関係するとの認識でいます。今回は最も悪質です。

 構造計算書の読み取りは確かに難解な部分が有りますが、むしろ現場で指摘されなかった事が不思議です。 一度でも図面を引いた人間で有れば必ず判るレベルの様子です。
 施工写真の開示、設計図書を開示説明しない業者がいたこと自体、日本の話とは思えません。
 阪神震災以降基準法改正も有りましたが、選ぶ側の方が神経質な程の質問をされた事を思えば他国の話です。
 バブル崩壊以降、九州単価なる価格が現れ、施工費をそれまでの60%未満で受ける業者の存在は知っていました。
 それにしても、配筋量を規定の1/2以下にしても、工事費の1%未満しか安くならず、その金額は多分2〜3回の接待費の範囲でしょう。 鉄筋の炭素量等迄抜きとり検査をして(多くの鉄筋が再生品故)配筋自体の剪断強度にも気を配っていましたが、今回の事件は拝金の亡者に振り回されたとしか思えません。 多分コンクリ−ト強度(モルタル比等)も指定強度が無いように画面では見受けられます。
 氷河期の建設業界を巧みに利用した事件で、デベロッパ−にも一級建築士はいる様子ですが、指示する者が中身より外観に囚われる拝金亡者の素人では、技術者の良心、義務は働かないのですかね。
 まさに、物を乗せたら落ちる棚を作った落語の話と同じと言えます。

 CADで書かれた図面を再度手書きして確認して、下流から上流に流れる水路を発見したり、重量から耐荷重を再計算して見る程度の事は有資格者であれば日常的に行う作業です。
 資格は学力と記憶力で取得できますが、資質は環境が育てます。先ずモラルが問われます。

 民に出来る事は民に任せた弊害の象徴となると思います。
 最大の失策は、弁済能力の無い業者が瑕疵負担担保(保険等)無しで事業が出来る事です。
 この面では行政にも責任の一端は存在するのかもしれませんが、・・・・ 公費での弁済をする事では有りません。

 自己責任が問われる時代に於いては、選んだ側にも責任は存在します。気の毒に感じますが見て判らなかったのか不思議です。
 此は建築云々では無く、単なる詐欺事件です。