古い辺野古基地拡張案は、嘉手納に輸送された戦死者の一時保管等を主目的で、嘉手納に当時余裕が無かった為検討されたが、港湾としては必ずしも適当で無く(大型艦入港にはかなり大規模工事が必要)、且つ目的が一時保管の後、速やかに国内へ輸送であり、必然的に航空機となり、中型輸送機用滑走路を検討したが、実務上民間機チャ−タ−故、那覇を使用する事で間に合うとされた。
 辺野古が検討された件では、強襲揚陸訓練場、海域があると聞くがその後の経過は不明。
 B52等の大型機用滑走路と付帯施設の建設には莫大な面積と費用期間が必要となり、検討に値しない。 B1等新鋭機は管制上からも不適当なので、辺野古地区に航空部隊の拠点を置く事は考えられない。あくまでも中型輸送機、回転翼機が主体となる部隊に対応する機能以上は備えられないと思う。
 民間機も使用出来ても中近距離用に対応出来れば良い程度となる。

 不安定の弧への一次対応はB1となるので、沖縄では無い。二次対応としての海兵隊地上部隊は沖縄から、艦載機は厚木、岩国のF18が現時点では対応すると推測する。空軍部隊は国内からは割けないと思う。
 時代が変わっても、日本列島は戦略的に大きな地形的な意味を持つ。北海道から琉球列島、台湾、旧国連委任統治諸島、シンガポ−ルが、大まかに日本の守備範囲、シンガポ−ルからイギリス本土までがイギリス、イギリス本土から北海道までがアメリカの範囲で、中に英連邦軍がオオストラリア、カナダ、がある。英国と連動してNATO軍が存在する。
 憲法問題とは別に、事実上の集団防衛機能は働いており、この機能は弱腰の外務省とは一見関係なく作用しているが、全体としては大きなプレゼンスとなっている。
 問題は日本が独自の判断で行動する事が困難な状況にある事だ。所謂不安定な弧と言われる地域は日本の重要な資源供給地域であり、且つ友好国が多い。西欧諸国の様に占領の歴史も無く、キリスト教対イスラム教と言った反目も無い。 
 ある意味では日本が主導権を持って協調して行ける地域でもある。欧米に取って不安定の弧であっても日本に取っては協調の弧でもある。政府の最大の課題はこの戦略を有効に活用する事かも知れない。
 米国の戦略を有効に活用出来れば、基地移転費用負担等は問題にはならないと思う。それだけの知恵があるか問題だ。