Archive-name: fj-news/ngmp6.5/part2
Original-author: kono@csl.sony.co.jp (Shinji Kono)
Last-change: 2004/07/24 by committee@fj-news.org


3. ニュースグループの管理手順

3.1 総則

NGの管理手順は提案(Proposal)、公告(CFD)、合意方式(CFX == CFA、
CFR、CFV、CFSのいずれか)選択、管理行為の実施の各段階を含んでいる。

管理人は参加者の行為がNGMPの規定に合致しているか否かを判断し、判
断結果をNG管理グループで告知する。合致している場合は、管理人は参
加者の行為を認定する。不備があっても軽微な場合には、その不備を補っ
て認定することができる。不備が軽微かどうかは、管理人が判断する。
合致していないと判断した場合は、参加者の行為は無効となる。この際
に、管理人は、参加者に行為の修正を促すことができる。また、告知記
事が事故で流れない等の重大な問題が生じた際には、管理手順を適当な
段階まで差し戻すことができる。重大な問題が生じたかどうかは、管理
人が判断する。

管理行為の是非や手続きの進め方について参加者間で意見の相違がある
場合、管理人はできるだけ中立的な立場を取るものとする。

3.2 状態遷移図

[Proposal]  [CFD]
  |----//---->|---CFD変更・CFX選択---2か月->| 時間切れ/管理人委託
 提案        公告        | ^                v
(省略可)                 | |                +---CFX選択--->|
                         |異議                             |
                         v |                               |
                     [CFA/CFR]                             |
              |……………|-2週間-|………| (提出期間)       |
                        異議待ち v                         |
                         ~       +------------------------>|
                         |                                 |
                         v                                 |管理行為の
                       [CFV]                               | 実行/却下
              |1週間|……|---3週間---|…| (提出期間)       |
          (最新公告)    投票         v                     |
                         ~           |---|---------------->|
                         |          確認                   |
                         v                                 |
                       [CFS]                               |
              |1週間|……|1週間|---3週間---|…| (提出期間) |
          (最新公告)    告知  署名         v               |
                                           |---|---------->|
                                          確認
              |……………………………………………………3か月…|---->
                                                             再CFD可

[解説] 時差や管理の手間を考慮し、期間については1日程度の誤差は
許容される。

3.3 提案/Proposal

CFD以前の議論をProposalと呼ぶ。Proposalに対して、管理人は何の権
限も持たない。Proposalは省略してもよい。

[解説] 内容が漠然としていてもProposalとしてNG管理グループに提出
できる。この段階からCFD開始までの間に具体的な内容と告知先を決定
することになる。

3.4 公告/CFD (Call for Discussion)

3.4.1 CFDの条件

CFDは議論開始の公式な宣言である。CFD後は、管理人が権限を持って関
与し、提案者と共同して期間内に管理行為を決定することをめざす。

CFDは参加者または管理人がおこなう。

CFDは複数の参加者が共同で提案してもよいが、そのうちの1人が代表者
とならなければならない。以下この代表者を単に提案者と記す。

CFDは次のa)〜e)のうちの1つだけを提案するものでなくてはならない。
CFDには、CFD期間(開始日および満了予定日。満了予定日は開始日の2か
月後)が明示されているとともに、該当する項に示された情報をすべて含
んでいる必要がある。これら以外の情報、理由づけなどは要求しない。
 a) 作成: 対象NGの名称、憲章、1行英文、moderated/unmoderatedの別
 b) 削除: 対象NGの名称
 c) 名称変更または移動: 対象NGの名称、変更後の名称、憲章、1行英文、
    moderated/unmoderatedの別
 d) 憲章変更: 対象NGの名称、変更後の憲章、1行英文
 e) moderated/unmoderatedの変更: 対象NGの名称、変更後の憲章、1行
    英文、moderated/unmoderatedの別

前記の情報に関して複数の候補を持つこともできるが、複数選択投票以
外の合意方式を選択する場合にはCFXまでに1つに絞らなければならない。

CFDはE-Mailにより委員会に通知されるとともに、NG管理グループおよ
び関連するNG群に可能な限りクロスポストにより告知されなければなら
ない。

NGが属する分野の管理人が当該CFD(およびそれに付随するCFX等)を扱う。
NG群が複数の分野にまたがる場合は、委員会が担当管理人を指名する。

管理人はCFDのNG管理グループにおける流通が確認された時点で、CFDの
開始をCFD記事の投稿時点に遡って認定する。

管理人は提案者からのE-Mailを受領した時点、およびNGでの流通を確認
し認定した時点で、提案者にその旨を通知する。ただし両者が時間的に
接近している場合は1つの通知で兼ねることを妨げない。

CFDの内容がfj直下のカテゴリーに変更を及ぼすものである場合は、委
員会は2.2節の規定により当該CFDの変更を提案できる。この場合、CFX
による決定まで当該CFD期間を中断させる。

[解説] CFDがa)〜e)のうちの1つだけを提案するというのは、例えば1つ
のCFDで新設と削除を同時に提案できないという意味である。

[解説] 1行英文はニュースリーダーなどの参照機能に使用するためのも
のであり、60文字程度に収めることが望ましい。

[解説] CFDの告知はクロスポストが原則であるが、クロスポストの不可
能な環境や、関連グループが多数のため1つのクロスポスト記事にでき
ない場合などはマルチポストもやむを得ない。

[解説] CFDはNG管理グループで流通しなければ有効でないが、管理人が
そのことを確認できるのは投稿時点より後になる。このため、遡って開
始時点を認定することが必要となる。

[解説] fj直下の変更について、委員会で討議した上、問題があるとい
う結論に達した場合、委員会が変更内容を提示して1回だけCFXをおこな
う。そのCFXが成立した場合、CFDは変更された上で続行される。

[解説] CFD途中での中断はCFDの変更により当該CFDがfj直下のカテゴリー
を変更するCFDとなった場合に起こり得る。

[解説] CFDの中断期間は満了期限の計算に含まれない。

3.4.2 CFDの変更

提案者は、CFD期間中に内容を変更できる。変更前後を同一のCFDとして
扱うかどうかは管理人が判断する。

CFD期間中に提案者を変更できる。その場合は変更前後の提案者、およ
び管理人の同意を必要とする。

提案者は、CFD期間中に公告記事のクロスポスト先を拡大してもよい。
提案者判断によるクロスポスト先の縮小は認めない。管理人がクロスポ
スト先の縮小、拡大、変更を指示した場合、提案者はそれに従わなけれ
ばならない。

CFD内容、提案者、またはクロスポスト先の変更があった場合、提案者
(提案者の変更の場合は新旧いずれでも)は変更内容をE-Mailで委員会に
通知するとともに、NG管理グループで具体的に提示しなければならない。

[解説] CFD期間は参加者の合意により選択方式を決定するための期間で
あり、CFD期間が満了(後述)した後、最終的に管理行為が公表され実施
されるまでには1週間から数週間(管理人裁定の有無や異議の有無などに
よる)を要する。

[解説] クロスポスト先の縮小規定は、提案者が不適切な大量クロスポ
スト/マルチポストをおこなった場合に、これを是正するための規定で
ある。縮小案内を再度大量クロスポストすべきではないので、縮小の公
告はおこなわず、次の公告から適正な範囲にポストする。

[解説] CFDの内容が変化していくうちに一部のクロスポスト先が不要に
なったと提案者が判断した場合は、管理人の承認があればクロスポスト
先を縮小してもよい。

3.5 合意方式(CFX)の選択 (Call for Approval/Rejection/Vote/Signature)

NGMPではCFD期間の間に唯一の合意方式(CFX)を選択することをめざす。

CFXは原則として提案者が出す。管理人が出すこともできるが、その場
合は提案者の意思を尊重しておこなう。

CFXとしては次の選択肢がある。
 a) 沈黙による承認(CFA: call for approval) : 異議が出なければ提
    案は承認される。
 b) 沈黙による却下(CFR: call for rejection) : 異議が出なければ提
    案は却下される。
 c) 投票による決定(CFV: call for vote) : 投票により承認/却下を決
    定する。
 d) 署名による決定(CFS: call for Signature) : 署名により承認/却
    下を決定する。

CFXの告知はCFDで必要とされた情報を含まなければならない。

加えて、CFXの告知はCFXの開始時点と終了時点を明示しなければならな
い。

CFXの期間中はCFDの内容を変更することはできない。

CFA/CFRはCFDと同時に出すことができる。CFVはCFDが出されてから1週
間は出すことができない。

CFDのクロスポスト先や内容に変更があった場合、その変更から1週間以
内はCFVを出すことはできない。CFV開始後にクロスポスト先を変更する
ことはできない。

CFXの告知は最新のCFDと同一のNGにポストされるとともに、委員会に
E-Mailで送付されなければならない。

管理人はCFXのNG管理グループにおける流通が確認された時点で、CFXの
記事に記載された開始時点に遡って、CFXの開始を認定する。

管理人は提案者からのE-Mailを受領した時点、およびNGでの流通を確認
し認定した時点で、提案者にその旨を通知する。ただし両者が時間的に
接近している場合は1つの通知で兼ねることを妨げない。

提案者はCFXの告知記事の内容を周知させるよう努めなければならない。

[解説] 管理人によるCFXは、提案者の不在等により、提案者によるCFX
が出せない場合を想定したものである。

[解説] クロスポスト先の制約は提案者に適用されるものであるが、第
三者がCFV/CFSの告知記事や投票・署名の呼びかけを他のグループに転
載することを控えることが強く望まれる。投票・署名の募集は興味のあ
るユーザーグループを同定するのが目的であり、対象となるグループに
興味のないユーザーが、投票・署名にのみに参加するのは望ましくない。
どうしても投票・署名の募集を告知したい場合は、CFV/CFSの告知記事
そのものではなく、Message-IDを引用するなどして、告知がおこなわれ
ているグループへユーザーを誘導することが望ましい。しかし、第三者
の行為を理由にしてCFV/CFSを無効にすることはできない。

[解説] CFXはNG管理グループで流通しなければ有効でないが、管理人が
そのことを確認できるのは投稿時点より後になる。このため、遡って開
始時点を認定することが必要となる。

[解説] 告知内容を周知させる標準的な方法は、1週間毎程度の間隔で告
知記事を反復して投稿することである。

3.6 沈黙による決定 (CFA/CFR)

3.6.1 CFA/CFRの条件

CFA/CFRは議論を収束させる中間点を意図しており、議論中でもCFA/CFR
を出せる。

CFA/CFRの期間は2週間とし、この間に1人以上による異議(Objection)が
提出されなければCFA/CFRが成立する。

CFA/CFRを出す場合には異議の形式について規定しなければならない。
異議を出すのが困難な形式を指定してはならない。

CFA/CFRが成立した場合、提案者はそのことを委員会へのE-Mailおよび
NG管理グループへの投稿により通知しなければならない。

[解説] 提案者が(CFD内容を修正したいなどの理由で)自ら異議を出すこ
とで、実質的にCFA/CFRを取り下げることができる。

[解説] CFRは何らかの管理行為をめざして議論を始めたが、議論の結果
が管理行為を行わないのが適当であるとなった時、その合意を確認する
手段としての使用が想定されている。

[解説] 異議の形式として慣習的に「Subject: [Objection] (元Subject:)」
というものが指定されることが多い。

3.6.2 CFA/CFRに対する異議

CFA/CFRに対する異議の提出者は、異議を提案者と委員会にE-Mailで通
知するとともにNG管理グループで公表しなければならない。異議の提出
者が投稿を行えない場合は提案者または管理人が異議の文面をNG管理グ
ループに公表する。

異議はどのCFA/CFRに対するものか明確でなくてはならない。

異議に理由づけは必要とされない。

異議を取り下げることはできない。

期限内に委員会に届かない異議、および指定された形式に沿っていない
異議は無効とする。

CFA/CFRが異議により不成立となった場合、管理人はそのことをNG管理
グループに告示する。

[解説] 委員会と提案者の両方に異議が届くことになる。事故等により
届いたかどうか定かでない場合は委員会が最終的に判定する。