ニュースグループ管理の手引き(第6版)

1. 総則

1.1 fjとNGMP

fjとは、インターネット上で流通するニュースグループ(以下NG)群のう
ち、「fj.」で始まる名称を持つものである。

fjのNGを購読する者を「fj参加者」(または単に参加者)と呼ぶ。

日本におけるインターネット発展の歴史的連続性に鑑み、fjの使用は非
営利目的に限るものとする。

「ニュースグループ管理の手引き」(News Group Management Protocol、
以下NGMP)はfjのNGの構成を管理する手順を定めたものである。

本NGMPはfj参加者の意見を集約して作成されたものであり、以下に定め
るfjニュースグループ管理委員会(以下委員会)が管理している。

本NGMPの目的は、統一され安定したNG群の構成を管理することにより、
多くのfj参加者が有益と考える情報交換を可能にすることである。この
ため、NGMPではNG群の管理手順を定め、委員会がこれに従いNGリストの
維持とコントロールメッセージ発行を一括管理するものとしている。

本文書の引用、複写、要約などは自由におこなってよい。ただし、本文
書の題名およびどの版からの引用、複写、要約であるかを明示すること。

[解説] 非営利目的の使用とは「直接に利益を得ることを目的としない
投稿」を意味する。製品等に関する一般的な説明や不要品の売却等に関
する投稿は、fj参加者全般の便宜を目的とする限り非営利と考える。特
定製品等の販売促進等を目的とする投稿は営利目的であり受け入れられ
ない。

[解説] fjとは「From Japan」の略である。決して「For Japanese」で
はない。ただし、本手引きに定めるニュースグループでの公告、委員会
への連絡、および委員会から参加者への連絡には日本語を使用するもの
とする。

[解説] ここでいう「管理」とはfjのNG群のリストを管理することであ
り、その内容(個別の記事)を管理することは含まない。

1.2 fjと管理主体

委員会の構成員(以下単に委員)およびfjを購読しているサイトの管理者
を併せたものをfjの管理主体と呼ぶ。

fjに投稿された記事に関する責任はすべてその記事を投稿した個人にあ
り、管理主体にはない。

ただし、管理主体は記事の内容が著しく不適切であると判断した場合、
その投稿を削除するための適切な処置を講じることができる。

ニュースシステムの性質上、fjを伝達するサイトはfjのすべてのNGを伝
達するよう努めなければならない。

fjを購読する各サイトは、fjのNG群の構成の管理に関してはNGMPに従わ
なければならない。

fjを購読する各サイトは、「fj.」という名前ではじまるfjに属さない
NGを作ってはならない。

[解説] サイトとは同一管理者(群)が管理する計算機システム群をいう。

[解説] ニュースグループの配送機構上、他のサイト間相互の記事の中
継を行うサイトと行わない(末端ないしleaf)サイトがある。「伝達する
サイト」は前者、「購読するサイト」は前者と後者を併せたものを意味
する。

[解説] 委員会が行う「適切な処置」とは、あくまでNGMPに則った処置
(たとえば削除CFDの提出等)を想定している。

2. 管理委員会

2.1 委員会の組織

fjのNG管理は委員会がおこなう。ただしNG管理グループ(後述)における
参加者の発言と委員の発言は同等に尊重される。

委員会は後述する投票により選出された委員から成る。

委員会は互選により議長を選出する。

委員会の決定は委員の過半数の賛成を必要とする。

委員は管理行為に参加できなくなる期間(不在期間)がある場合、可能な
ら委員会に通知しなければならない。通知の有無によらず、不在か否か
は最終的に委員会が判断する。

委員会はNG群を複数の管理分野に分割して管理する。

既存のNGおよび新規に提案されるNGがどの分野に所属するかは委員会が
指定し公開する。

委員会は委員の中から管理分野ごとに管理人を指名する。

管理人の指名されていないNGについては議長が管理人を兼ねる。

管理人は委員会を代表して当該分野の管理をおこなう。ただし委員会が
必要と認めた場合には、委員会が直接当該分野の管理をおこなうことが
できる。

管理人は不在その他の理由がある場合、委員会の承認のもとに、代理人
を指名できる。代理人は委員でなくてもよい。委員ではない代理人は委
員会の決定に際しての議決権はない。

委員会はfj参加者間の紛争には介入せず中立を保つ。

[解説] 委員会なのになぜ議長かというと、議論をすることが仕事の多
くを占めるからである。

[解説] 各分野の管理を担当する委員を「管理人」と呼ぶのは歴史的な
伝統をいくらかでも伝えたいからである(初期のNGMPでは分野ごとに管
理人を選任し、委員会はその緩い集合体と位置付けられていた)。

2.2 委員会の業務

委員会は分野ごとにその分野のNG管理に関する議論をおこなうグループ
を指定する。これをNG管理グループと呼ぶ。どのNG管理グループをどの
分野のNG管理に用いるかは委員会が指定する。

委員会、管理人及び代理人は、本NGMPに規定されている管理手順進行の
ための判断、行為等をNG管理グループで公表する。

委員会はNGMP、NGリスト、モデレーターのリストをNG管理グループにお
よそ1か月の間隔で定期投稿する。

参加者および委員会のfjのNG群の構成の管理に関する議論はNG管理グルー
プでおこなわれる。

委員会の議論は委員会メーリングリストでおこなってもよい。ただし、
その内容はセキュリティー等の問題のない限りNGで公表されなければな
らない。

委員会は参加者の意見を尊重しながら、以下の作業をおこなう。
 a) NGリストの管理
 b) NGの作成、廃止に関するコントロールメッセージの発行

委員会は参加者の意見を尊重しながら、以下の事項について提案できる。
 a) fjのNG群の全体構成に関する統一的な指針。
 b) fj直下のNGや新しいサブカテゴリーの作成と削除。
 c) 本NGMPの変更。

これらの提案事項は後述のCFXのうち、CFAないしはCFVの形式でNG管理
グループで公表され、その成立をもって承認されるものとする。

委員会はfjのNG群のモデレーターのリストを管理する。モデレーターの
就任および退任は委員会の同意を必要とする。モデレーターの変更があっ
た場合には、委員会はNG管理グループにこれを告知する。

管理人はその管理行為についてfj参加者から疑問が出された場合、これ
に回答しなければならない。ただしきわめて回答が困難な疑問について
は、回答が困難な理由の提示をもって代えてもよい。いずれの場合でも、
返答はきわめて理解が困難なものであってはならない。

[解説] NG管理グループの例としてはfj.news.group、fj.news.group.*、
fj.news.policyなどが挙げられる。

[解説] 直下のNGの例としてはfj.1st-readme、直下のサブカテゴリーの
例としてはfj.newsなどがあげられる。

[解説] 委員会がその提案事項を公表し承認を求める手続きは、CFDを経
ずにCFXのみの形式を取る。したがって、承認までの所要期間は2週間
(CFA)または3週間(CFV)である。CFAに異議が出された場合、CFVに進んで
もよいが、提案事項を取り下げてもよい。

2.3 委員の選出

委員の選出に際してはfj参加者は3名以上から成る投票管理機関を組織
し、選出投票を管理する。

立候補または推薦による候補者のうち、fj参加者の投票により信任を得
たものが委員となる。

候補者は、本NGMPに規定される委員としての行為を遂行する能力と意思
を持つことが要求される。

各候補者について、参加者は一人一票のE-Mailによる記名投票により、
信任票または不信任票を投ずる。投票期間は3週間とする。

指定された形式に従っていない投票は無効票とし、集計から除外する。
ただし投票期間内であれば改めて指定された形式に従った投票を提出し
直すことはできる。有効な投票の内容を変更することはできない。

信任票と不信任票は候補者別に個別に算出する。

当選者は次の手順によって定める
 a) 信任票を50票以上得なかった候補者は当選者から除外される。
 b) 信任票を不信任票の2倍以上得なかった候補者は当選者から除外さ
    れる。
 c) a)及びb)によって除外されなかった候補者が10名以内であれば除外
    されなかった候補者全員を当選者とする。
 d) a)及びb)によって除外されなかった候補者が10名を超える場合には
    信任票/不信任票の比率が大きい候補者を上位に、信任票/不信任票
    の比率が等しい候補者間においては信任票の多い候補者を上位とし、
    信任票と不信任票ともに等しい候補者は同位として上位10位までの
    候補者を当選者とする。

選出投票の結果はNG管理グループにおいて公開されなければならない。

各委員の任期は1年とする。ただし、次期委員会発足までは、前任者が
引き続き管理を担当する。

連続して就任する場合は3回を限度とする。連続しない就任については
回数の制限はない。

信任を得た者が委員就任を辞退する場合、および就任後の委員が任期 
満了前に辞任する場合はNG管理グループにおいて告知するものとする。

委員会は必要と認めた場合、委員会の指名した人物に委員会の業務の一
部を委託することができる。ただしその場合でも委託した行為に付随す
る責任は委員会が負うものとする。

[解説] 10位までとなっているのは10位が複数人の場合を想定している。

[解説] 業務の一部委託は、委員会の技術力の不足 ^_^; 、委員の退任
等により委員会の業務を委員だけでまかなうのが難しい場合を想定して
いる。委託された人物が見掛け上管理人の業務をおこなうこともあり得
るが、その場合でも各管理行為について委員会の(暗黙の)承認が前提と
なっているものと考える。

2.4 委員の解任

fj参加者は委員の解任動議を提出する権利を持つ。動議はNG管理グルー
プにおいて公表されなければならない。

解任動議においては、その理由を明示しなければならない。明示されて
いる限りにおいて、動議提出に際して理由の適否は問わない。

動議の提出者は、3人以上からなる投票管理機関を組織し、その旨をNG
管理グループにおいて公表しなければならない。投票管理機関を組織で
きない場合、動議は無効となる。

解任動議の投票開始は投票管理機関の全員一致で決定し、NG管理グルー
プにおいて告知されなければならない。

解任動議に対する投票は参加者の一人一票によるE-Mailによる記名投票
でおこない、賛成/反対の二者択一投票とする。

指定された形式に従っていない投票は無効票とし、集計から除外する。
ただし投票期間内であれば改めて指定された形式に従った投票を提出し
直すことはできる。有効な投票の内容を変更することはできない。

解任動議の成立条件は投票期間3週間、賛成2/3以上、賛成50票以上とする。

解任動議投票の結果はNG管理グループにおいて公表されなければならな
い。