プラネテス Phase 21
石崎です。
プラネテスPhase 21『タンデム・ミラー』について雑感など
^L
●馬鹿息子再び
コリン「この間大学を卒業してね。今は、連合の開発監査部に居るんだ。もちろ
ん、親父のコネ」
フィーのスモーキングシートを事務室から運び出そうと四苦八苦しているデブ
リ課の面々。
一ヶ月の間、月にデブリ回収に出向くことになり、その間禁煙しているのがフ
ィーは我慢ならなかったのだ。
そんな騒ぎの中、現れたのは連合議長の息子、コリン。
大学を卒業して父のコネで連合開発監査部の監察官となった彼は、デブリ課の
監査にやって来たのだった。
# スモーキングシートを運ぶのに一苦労のデブリ課。どうやって運び入れたので
# しょう?
# タンデムミラーエンジンの事故で大量に発生したデブリの問題はスルーかと思
# ったら、やはり仕事に出向くことになりましたか。
# 次回予告でも登場していましたが、連合議長の馬鹿息子、コリン・クリフォー
# ドが再び登場。親父のコネで監査官となったと恥ずかしげも無く言ってしまえ
# る辺り、彼も相当なタマと言いますか。正式には監査官補というのが役職みた
# いですが。
●とうとう来た
ロックスミス「ようこそ、フォン・ブラウン号へ。君達は、これから半年間の三
次試験で、フォン・ブラウン号の全てを覚えて貰います。そのため、レベ
ル6のカードキーをお渡ししました。それで船内の94%の扉が開きます。
ちなみに、最高レベルの8は、私とあと数人しか持っていません。君達が
試験に合格し、晴れて乗組員に選ばれたなら、その時は、レベル8のカー
ドをお渡し出来るでしょう」
三次試験のため、フォン・ブラウン号にやって来たハチマキ達。
半年間に渡る試験の間、フォン・ブラウン号の全てを学ぶことになるハチマキ
達は、船内の大部分の場所に出入り出来るレベル6のカードを渡され、タンデム
ミラー式核融合エンジンのテストも受験生自身が行うことになると告げられる。
タンデムミラーエンジンを前に「とうとう来た」と呟くハキム。
タンデムミラーエンジンに映る自身の姿が笑ったように感じるハチマキだが。
DS-12の抜き打ち監査にやって来たコリンに、客室乗務員をつけるなど丁重に
もてなすノーマン事業部長達。そんな中、ユーリはタナベに家族だけに教えられ
るハチマキの呼び出しの電話番号を調べて渡す。
そのメモをポケットにしまい込んでしまうタナベに電話をかけないのかと問う
ユーリだが、タナベは仕事が先だと言うのだった。
夜。眠れないでいたハチマキに、月で現れたもう一人のハチマキが声をかける。
もう一人のハチマキは、タナベに手を引いて貰えば良いと誘惑するが、ハチマ
キはフォン・ブラウンに乗るんだと譲らない。
その夜。ハキムは船内で別の受験生から、スーツケースを受け取っていた。
# フォン・ブラウン号の全貌が姿を現しました。……数百人は乗れそうな程の大
# きさです。
# 監査官に客室乗務員をつけるなんて、ノーマン事業部長はやり過ぎ。でも、こ
# ういった手合いはノーマンの方が余程まともに対応出来るのかも。
# もう一人のハチマキが再び登場。これが出るってことは、本当はタナベに未練
# があるってことでしょうね。
# ハキムのスーツケースを渡したのは受験生の服を着た女性でした。複数のテロ
# リストが受験生の中に潜入しているってことか。
# 待つのには慣れていますというハキム。時を待ち続けていたということか。
●宣戦布告
ハキム「木星計画は、必ずしも人類の総意では無い。反対運動も各地で行われ、
計画が成功しても、その恩恵に預かれるのは、極一部の先進国だけだ。巨
大な計画の陰で、マイノリティは黙殺されようとしている。君は、迷うこ
とは無いのか?」
ハチマキ「無いね。我が儘になるのが怖い奴に、宇宙なんて開けねぇよ」
ノノにカメラを用意させて、ギガルトはハチマキにメッセージを録画していた。
トイボックス2の中で、タナベに気安く声をかけているコリン。
客室乗務員の一人として同乗していたリュシーはタナベに向かってコリンを狙
うからと宣戦布告。
タンデムミラーエンジンのテストを行っている受験生達。
自分が宇宙船が欲しかったのでは無く、もっと早く強く遠くまで行ける乗り物
に乗りたかっただけなのだと話すハチマキに、ハキムは木星計画は人類の総意で
は無く、計画が成功しても一部の先進国だけしか恩恵に預かれないと言い、迷い
は無いのかと問うが、ハチマキは無いと断言。
そんな時、受験生が喧嘩を始める。ライバルが減ると無視しようとしたハチマ
キ達。
だが、喧嘩の片割れが喧嘩にカッターまで持ち出したのを見たハチマキは、彼
をぶっ飛ばし、俺の船がぶっ壊れてしまうだろうがと叫ぶ。
# ノノたんのニックネームは「アルテミス」ですか。表情が良く撮れない方が良
# いということは、死期が近そうです…。
# チェンシンを見限ったと思ったら、今度はコリンに手を出そうとしますか。リ
# ュシー。客室乗務員は3人居るのに、今回の間ずっとコリンの側に居る彼女。
# 下心見え見え。
# みんなが見ている前で仕事中に喧嘩を始める受験生達。本当に、二次試験まで
# を勝ち抜いてきた精鋭なんでしょうか、彼らは…。
●俺は俺、お前はお前
タナベ「待って! 聞きたい事も話したいことも一杯いるんです。会社を辞める
のもフォン・ブラウンに乗るのも、一人でさっさと決めちゃって、言って
欲しかった。話して欲しかったのに私、先輩のこと…」
ハチマキ「俺の事だろう? お前に話してどうすんだよ。俺は俺、お前はお前だ
ろう」
月軌道に到着したトイボックス2。
休憩時間中にタナベはハチマキに電話をかけ、色々と心配するタナベだが、ハ
チマキは何の用だと素っ気ない。ハチマキに、どうして相談もせずに辞めてしま
ったのかというタナベ。
だがハチマキは、自分の事をタナベに話してどうするんだと言うのだった。
その時、第三事業部からのデブリ回収要請が入る。
月に到着する前に回収要請が入ったことを不審に感じたクレアは回収計画文書
を一読して、これが役所の文面であることを看破する。
その様子を見ていて、フィーは管制課のデブリ課の担当でクレアが5本の指に
入る程優秀だったと言うのだった。
タナベとの電話を切り通信室から出て来たハチマキに、レオーノフはここの電
話は全て盗聴されていると教える。宇宙防衛戦線からのテロを警戒しているのだ。
対象デブリに接近したタナベ、ユーリとクレア。
デブリに接近してみると、それはタンデムミラーエンジンのミラーコイルの残
骸。
しかもそれには何かが取り付けられていた。
# フィーさん。人の持ち上げ方が上手いなぁ。クレアさんが本当に優秀だという
# こともあるんだろうけど、コリンとは偉い違い。もっとも、彼もクレアの実力
# は認めているみたいだけど。
●口先だけの愛
タナベ「でも今はこれがクレアさんの仕事なんです! デブリ屋の仕事にもっと
愛と誇りを持って下さい!
クレア「また愛。貴方の愛は薄っぺらいのよ」
タナベ「!」
クレア「あなたの愛が、一人でも救ったことがあるの? 口先だけの愛なんて、
振りかざさないで」
回収したタンデムミラーエンジンの残骸から、事故が人為的にエンジンの一部
が破壊されたことによるものだということが明らかとなったとマスコミで報道さ
れ、タナベもテレビに出演。
それをテレビで観ていたハチマキ達は、宇宙防衛戦線の仕業では無いかと話し
合う。
何故かハキムはそれを否定して、サリーに詳しいと突っ込まれてしまう。
一方、月でこのニュースを観ていたコリン達。クレアは、予定通りのお手柄と
発言し、コリンは、賢すぎるのも考え物とクレアに言うのだった。
タナベにテレビ出演おめでとうと言ったコリン。
何時もと同じようにデブリを拾っただけと謙遜するタナベは、デブリを拾うこ
とが宇宙開発につながり、それは地球の貧困など諸問題の解決につながるという。
それを聞きクレアは怒り出す。宇宙開発により貧富の差は却って広がっている
と。
そしてデブリ屋の仕事に愛を持って下さいというタナベに、あなたの愛は薄っ
ぺらいと言うのだった。
# 左遷されてからクレアさんは、コリンにも情け容赦ありません。ただ、コリン
# も余裕で受け流しているところをみると、彼も裏のからくりを知っているみた
# いで、只の馬鹿息子でも無いという感じ。
# すっかり心根が途上国側に行ってしまったクレアさん。宇宙計画に批判的とな
# ってしまった彼女は、愛では祖国は救えないと。それならどうして今ここに居
# るの? どうしたいの? …と聞いてみたい。ぢつは既に取り込まれていたり
# したら嫌ん。
●政治的理由
専務「彼らを使った方がニュースが大きくなるだろう? テロからISPV-7を救い、
連合の機雷を見つけたスーパーデブリ屋。我がテクノーラ自慢のチームだ。
判っているとは思うが、ロックスミスには余計な事は言わせるな。あの事
故は、宇宙防衛戦線によるものだ」
ドルフ「そろそろ、宇宙治安維持法案の審議が始まりますしね」
専務「わざわざ言わなくて良い。君だって本社に戻りたいんだろ?」
ロックスミスに会ったゴローは、タンデムミラーエンジンが宇宙防衛戦線のテ
ロで事故を起こした報道が嘘だと気づいていた。
テロに備え、タンデムミラーエンジンには緊急停止がつけられてしまったが、
その方が都合が良い人が居るのだとロックスミスは釈明する。
その頃、ロックスミスが面倒なことを任せていた「社長」ことドルフは、地球
でテクノーラ社の専務に、わざわざデブリ課のDS-12にタンデムミラーエンジン
を回収させた真意について正していた。
数々の実績を上げたDS-12を使った方がニュースが大きくなるという専務は、
ロックスミスに余計なことを言わせない様に釘を刺す。
宇宙治安維持法案の審議が始まろうとしている今、宇宙防衛戦線による事故だ
ということにしておいた方が都合が良かったのだ。
# ロックスミス博士が自分から握手を求めるとは、余程ゴローさんの才能は愛さ
# れている様子です。
# ドルフと専務の会話。宇宙治安維持法の成立のためにテロリストが惨事を引き
# 起こしたことにしたいのですな。何だか、某国がやりそうな手口です。
# DS-12っていつの間にかテクノーラ社自慢のチームになっていたのか。^^;;;;
●正体を現したハキム
ハキム「月がそうであるように、木星系の資源もまた、宇宙開発先進国のものに
なる。結局、我々は何も変わらない(中略)テマラポアチエのこと、覚え
ているだろう(中略)彼だけじゃない。君はデブリを拾いながら、宇宙開
発の陰で足掻く人間達を見てきた筈だ(中略)君は何も学んでいないのか。
全て通り抜けるだけか。どれもこれも自分とは関係無い他人事か? 想像
力の無い君が、世界を都合良く捕らえている君などが何故、そんな物を持っ
ている」
フォン・ブラウン号の中で深夜スーツケースを手に部屋を抜け出したハキムは、
警戒態勢が取られているにも関わらず緊張感の無い警備陣に見咎められることな
くタンデムミラーエンジンの内部に潜入。
監視カメラを欺瞞装置で誤魔化し、そして内部に爆薬をセットする。
その時、ハキムの頭にレーザーポインターの照準がつけられる。
ハチマキがワイヤーアンカーでハキムを狙っていたのだ。
何時から気づいていたというハキムに、ハチマキはフォン・ブラウン号に来て
からそれまでと違ってハキムに何が何でも試験に受かるという迫力が無くなって
いたと言う。
ハキムのことを自分と同類だと思っていたハチマキは、ハキムがフォン・ブラ
ウン号内部に潜入するためだけに試験を受けたのかと怒る。
ハキムは昔は産油国だったものの、今は内戦で荒廃しているマナンガのことを
話す。そこが自分の祖国なのだと。
木星系の資源も結局は先進国のものとなるというハキムは、内戦に荒れる国で
宇宙服を作ったテマラポアチエや、これまで出会った宇宙開発の陰で足掻く人達
のことを思い出させ、それを見て何も感じないのかと言う。
撃つことは出来ないと見くびっていたハキムは、ハチマキの横を通り過ぎる。
ハチマキは恵まれている。口先だけの決意なんて、振りかざさないでくれとい
うハキムを背後から撃とうとするハチマキ。
だが、ハキムが爆弾を起爆。爆風でハチマキは吹き飛ばされてしまう。
「裏切りやがったな!」炎上するタンデムミラーエンジンの中で、ハチマキの
絶叫が響く…。
# 原作同様、ハキムがテロリストの正体を現しました。原作ではフォン・ブラウ
# ン号の1室を爆破しただけですが、アニメではタンデムミラーエンジンを爆破
# するという豪快なことに。見た目派手なテロを起こすために、フォン・ブラウ
# ン号の警備体制が、テロリストに狙われている重要施設であるにも関わらず、
# 素晴らしく雑なことになってしまっているのはちょっと……な気がしますけど。
# ^^;;;;
# アニメで端折られた台詞としてテロの目的があって、要求を容れられなければ
# 何時でもフォン・ブラウン号を爆破出来ると脅すことなのだそうで。
# 原作ではハキムは登場したその話でハチマキをテロから救い、同じ話でテロリ
# ストの正体を現しているので、ハチマキが気づいた理由も、撃てなかった理由
# も??? という感じだったのですが、アニメでは話数をかけてハキムとハチ
# マキの関係を描いてきたので、今回のハキムの言葉に説得力があります。同意
# は出来ないけど。
●次回予告
Phase 22『暴露』
「軌道保安庁の巡視船は、73%が月周辺に集結。周辺の衛星やデブリを手当た
り次第に当たっています」
「先日のISPV-7を狙った作戦が効いたようだな」
「マタタビの準備も出来ています。月軌道を40分はカバー出来ると」
「気取られるなよ。戦力の少ない我々が勝つには、奇襲しかない」
原作には無い展開です。何やらテロリスト達の大規模な作戦がある模様。
何やるんだろう?
では、また。
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Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp
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