PTT幹事の田中哲朗@東京大学情報基盤センターです.

 11月に行われた第294回PTTのメモを流します.

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第294回 PTTメモ

日時: 2003年11月27日 (木) 18:30 から
場所: 東京大学情報基盤センター4階会議室
出席者: 伊知地宏(ラムダ数教研),多田好克,寺田実,花田智洋,岩崎英哉,
 鈴木信吾(電通大),石畑清(明大),丸山一貴,横山大作,田中哲朗(東大)

話者: 筧 一彦(東京大学)
題名: プログラミング教育支援システム

概要: ------------------------------------------------------

Webインタフェースに基づくプログラミング教育支援システム「閻魔」を紹介する.  
「プログラミングにおける通信添削」に相当する機能を実現するシステムで, web
サーバにデータベースおよびcgiスクリプトを組み合わせることで実現されている.  
発案・実現され, 実際に昨年および今年のプログラミング演習に利用したところ, 
その簡略さとは裏腹にこのシステムがもたらした効果は非常に大きかった.  

本発表では, システムの利用方法についてまず実演を行なった.  その後, web
サーバの apache, cgiスクリプトを動作させるためのperlおよびRuby, データ
ベースのMySQL, そしてプログラミング演習のための各種言語処理系によって
構成されているシステムについて説明を行なった.  

過去 2年弱の演習の実績についても報告を行なった.  合計1000分から2000分
(例えば180分の演習を半期で10回)での演習において, 学生は平均して30題を
超える課題を消化している.  この演習および閻魔に対する意見を聴取したところ, 
いつでもどこからでもアクセスできるというwebの持つ利点の他に, 採点者からの
フィードバックに関する指摘(フィードバックがあることの利点, 遅いフィード
バックへの不満)が多かったことが注目される.  

質疑応答, その他コメント:-----------------------------------

Q. セキュリティ上の問題は何か?  

A. すぐに実装できる(されるべき)ものとして, SSLへの対応.  また, 全ての
ユーザに対してデータベースへの操作は apache 権限で行なわれているため, 
悪意のあるユーザが他のユーザのファイルを覗き見たり, 書き換えたりする
ことが可能である.  これにどう対処するのが良いかまだ思いつかない.  

Q. 現在は提出されたプログラムをそのままMySQLに保存させていないようだが, 
理由は?  SQLに保存させれば書き換えに対する対処法となるように思える.  

A. TEXTの場合64kの制限があるためだと思われるが, 基幹部分の実装は研究室を
既に出た学生が行なってくれたため詳細はわからない.  

Q. 学生向けにメールサーバとの連係について触れていたが, 採点者に対しても
採点者の割り当てのために誰が新たに提出してきたかすぐわかるようにしては
どうか.  

A. 良い考えだと思う.  

-. 類似のシステムとして, 米国のtexによる処理を伴うアーカイブシステムや, 
ACM プログラミングコンテストの採点システムが挙げられる.  また, 既存の教育
システムのプラグインとして提供できるように思う.  

-. 学生のこなした課題の数は結構多いもののように思う.  

-. 教材と合わせて売り出すことが可能ではないか.  

-. システムと教材とを分けて考えられるようにしたことがウリなのではないか.  


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東京大学情報基盤センター 田中哲朗
http://www.tanaka.ecc.u-tokyo.ac.jp/~ktanaka/