電脳日本語論
阿部と申します。
先日、力野さんの「日本語入力関連のリンク」を見ていて初めて
気がついたのですが、月刊アスキーで連載していた篠原一さんの
『電脳日本語論』が単行本で刊行されていました。
★力野さんの「日本語入力関連のリンク」
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/8087/links.html#DOCUMENT
これは、関係者へのインタビューでつづったATOKの開発物語です。
記述の分量を比較したわけではないですが、これを読んでいると、
やっぱりATOKは辞書がポイントなんだなという印象を受けました。
私、ずっとこれが単行本にならないかなと思っていたのですが、
実現して、うれしいです。さまざまな日本語入力プログラムの
開発元開発者の人へのインタビューもしてみたいと思ったのは、
これが念頭にあったからです。
ATOKの歴史って、ときどきメディアに露出しますが、そのほかの
日本語入力プログラムについてはあまり歴史的経緯みたいな
話が出てこないので、興味を持っています。
この本によると、1986年に登場したATOK5で初めて最長一致法が
用いられたことになっています(84ページ)。
私のサイトにおいてある年表と異なりますが、どちらが
正しいのでしょう?
http://www4.airnet.ne.jp/koabe/com_inet/im/history4.html
なお、最長一致法の採用に関しては、Mac用のEGBRIDGEがそれを
使っていたことに影響を受けたみたいです(86ページ)。
●気になった点
サブタイトルに、ATOKについての本だと分かるようなことを書いて
おいた方が親切だと思うけど、そういうのはだめなのかなあ?
書影を見れば、分かるといえば分かるんですが。この点や、
43ページ「他のIMEの選択自体は今でも可能ではあるが、
シェアの面から、公の場では実質、二者択一しか考慮されにくい
現状であるならば」とあるのが、ちょっといやらしいなあと
思ったりしました。
現状、そうなのかもしれないけど、それをそのまま書いてしまった
ことに違和感があります。
篠原一『電脳日本語論』(作品社、2003年)
定価:1800円
ISBN 4-87893-511-1
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4878935111/
さあ、日本語入力の季節、夏がやってきた!
最近滞っている更新も何とかしたいなあ。
--
阿部圭介(ABE Keisuke)
koabe@mcc.sst.ne.jp (NetNews用)
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