Gendai.net 2010年9月10日 掲載

一人あたりの年収も今年台湾に抜かれ、7年後には韓国にも抜かれる。
日本人として、何が誇れよう?

●「不動のアジアトップ」のはずが…
 中国のGDPが日本を抜くのは時間の問題だが、“大学の偏差値”では、すでに
抜かれていることが分かった。
 国際的な高等教育情報機関であるイギリスのQS(Quacquarelli Symonds)が
毎年発表している「世界大学ランキング」の10年版で、香港大学が東京大学を上回り、
アジアナンバーワンの座に躍り出たのだ。
「アジアで不動のトップ」と威張っていた東大は、ジリジリと順位を下げ続け、
今年は24位。初めて香港大(23位)の後塵(こうじん)を拝した。 

 ちなみに1位は英国のケンブリッジ大。2位は米国のハーバード大で、3位は米国の
エール大だ。17位までを英国、米国の大学が占めている。
18位がスイスのチューリヒ工科大。21人のノーベル賞受賞者を輩出した名門校だ。

 アジア勢では香港大、東大に次いで、京大が25位にランクイン。
シンガポール国立大(31位)、香港科学技術大(40位)、香港中文大(42位)の順で
続く。昨年52位だった北京大が47位に順位を上げ、大阪大(49位)も抜かれてしまった。

 なぜ東大は凋落(ちょうらく)してしまったのか。自身も東大OBで、世界の教育事情に
詳しい精神科医の和田秀樹氏がこう解説する。
「香港の受験競争は熾烈(しれつ)で、入学難易度は日本の大学の比ではありません。
北京大や上海大も難しいですが、エリート層が香港での就職を希望する傾向もあり、
中国全土の秀才が香港大を目指して来るのです」

 そのうち日本の秀才も、先端教育を求めて香港や中国の大学を目指すようになるのかもしれない。