こん○○わ、PARALLAXです。では早速。
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  │ 【 軽 音 部 、 西 へ  - HTT live @ 7th district - 】 │
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### D-day Zero-Hour ### @ 学園都市 @ PROGRESS 00:26:18 STAGE:MAR管制室

「どういう事だ!? 結局最後までマスキング出来なかったではないか!」

 副長が怒鳴り散らす声がまた管制室に響き渡る。先程、結局例の生体端末を捉えられず
にすごすごと帰ってくる事になってしまい怒鳴られた若手の局員が、また首をすくめて
怒鳴られている。怖ず怖ずと先ずは言い訳から。

「結局、こちらの想定を相手の力量が上回りました。最後の曲など準備範囲外です」
「こちらの電子クローンは1曲目から学習し、既にHTTの現時点における新録音の
 パターンを学習出来ている。残りは過去に連中が録音したものばかりだ。発表済みの
 ものは既に対抗手段が構築されているし、未発表音源に付いてもこちらの電子クローン
 が直ぐに対抗できる。そうではないのか!?」
「それに加え、相手はそれらをランダムに組み合わせて配信してきました」
「所詮は民生用の機材で行っている事だ! 聞いて違和感がないもの程度であれば、
 こちらの機材の方が遥かに優秀な以上、即座に対抗出来た筈だ。そうではないのか!?」
「機材は、ハードウェアは確かにそうです。ですが、その上で走らせるソフトウェアは、
 またそれらを運用するオペレータの技量は、そう格差があるものではありません」
「…それはつまり、君たちが反抗勢力よりも無能であると、そう言っているのかね?」

 ぐ、と若手局員が唇を噛む。認めたくないのだろう。若手とは言えMAR局員とも
なれば学園都市では押しも押されぬトップエリートだ。

「副長、コイツを責めないでやって下さい。コイツも、我々も、精一杯やってます」
「だが現実にはそうではない! 想定外だらけだ! 結果が出ていないだろ結果が!」
「相手がどんな存在なのか、どんな相手なのか、一切伝えられず我々は対抗手段を用意
 してきました。である以上、相手がこちらの力量を上回る可能性を持つ存在である場合
 もまた、想定の範囲内です。そうではないのですか? 敵は、恐るべき存在です」

 今度は、ぐ、と詰まるのは副長の番だった。これだけは言えなかった。これだけ大掛か
りに相手を怖れている副長が想定している敵が、女子中学生4人+αの集団などとは。

「副長。教えて下さい。我々は何を敵に回しているのですか?」

 何より土木工事用のハードスーツを着込んだ前任の局長をパワードスーツごと叩き潰し
病院送り警察送りにしたのは、間違いなくその集団だったのだから。

「…今は、責任懲罰を保留とする。現在の作業を続行したまえ」
「副長!」
「命令は以上だ! 残り33分少々しか無いぞ! 計画を続行しろ!」

 渋々と言った表情を隠すことも無く、局員が自席に戻り敵のパケットの解析に勤しむ。
どうやら敵もこちらも一時休戦と言った雰囲気で、こちらが流す他愛もないMCのパケッ
トには敵は全く手を出してこなかった。が、一瞬でもこちらがパケットの中身を曲に切り
替えた瞬間からまた激戦が始まるのは容易に感じ取れた。今は互いに鋭気を養う瞬間なの
かもしれない。

「おつかれさまですよ、副長ちゃん」
「その副長ちゃん、と言うのは止めてもらえませんか?」
「あら? 結構好評なんですよ、本職の職場では」

 どんな職場なんだ? こんな見かけの人物に「ちゃん」付けされて喜ぶ連中とは。

「…それで? 今度は何です?」
「相手は籠城戦に入りましたね」
「え? あぁ。例の学校の講堂ですか。
 厄介なものですよ。殆ど治外法権な学園都市の中で、一層治外法権な檻で囲われている
 区画。その中でも鉄壁の城と言っても良い程の女子学園。MARでさえかなり手を出し
 にくい場所の一つですね」
「で、どうするつもりですか?」
「なに、籠城戦となった戦況を打開するのは単純に言って2種類の戦術しか有りません」

 その通りだ。己にそう言い聞かせ、そう言い放つと、副長は立ち上がった。

「計画を再開する! こちらから例の歌を流せ! が、同時に2つ手を打つ!

 ひとつ! 『学舎の園』の全給電をカットしろ! 同区に病院や自動工場などの
24時間給電を必要とする施設はない! 学区および施設内にあるバックアップ電源
設備にもこちらの対地ミサイルを叩き込め! 完全に敵の電力を遮断するんだ!

 ふたつ! 全ての警備局と警備局員へ上位命令権限を持って発令! 『常盤台中学』を
占拠する反抗勢力を根刮ぎ逮捕させろ! 一切の抵抗は実力を持って排除しろ!
発砲を許可する!

 凶悪な能力者だ! キャパシティダウンを全力使用する許可も発令! 存分にやれ!」

 無表情な局員が副長の下命を下位組織へ伝える。あと数分の内に、あっさり事態は片付
くだろう。何と言っても相手は無能力者を抱えた子供が数人に過ぎない。

  ♪やばい 止まれない 止まらない

 そう副長がほくそ笑み、最後の切札"GoGo!MANIAC"のストリーミングが配信され始めた、
その瞬間。

「こちら警備局!」
「なんだ! さっさと敵を捕獲しろ! 映像は送ったろうが!」
「どの敵ですか!?」
「なに!」
「だから、どれですか!?」

  ♪

 常盤台中学大講堂の地下駐車場へ突入した警備局から悲鳴と合わせて映像が送られる。

  ♪

「なん…だと…?」

  ♪

 広大な地下駐車場を埋め尽くす、巨大なトレーラーの群れまた群れ。

  ♪

 その全てに、「けいおん!」のロゴが、HTTメンバの顔が描かれていた。

  ♪

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今回は、一先ず此処迄。 では。
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