こん○○わ、PARALLAXです。では早速。
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  │ 【 軽 音 部 、 西 へ  - HTT live @ 7th district - 】 │
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### D-day -2day 00:05PM ### @ 第11学区 学園都市入管ゲートモニタールーム@

 「集団の分離に成功」「グループは3元化へ」「グループ間の連携は見られません」

  ほとんど暗闇の室内が幾つもの大小取り混ぜたスクリーンからの明かりだけで
 照らされている。何れもダークスーツを着込んだ男達がスクリーンをモニタして
 得た情報を口々に報告する。彼らを背後から併結して仁王立ちする、先程は副長
 と名乗った男へ。彼らの報告を聞き、即座に命令を発する。

副長「よし。計画を第2フェーズへ。以降はパターンCへ移行。」

 「パターンC、了解。」「各グループを個別の目標へ誘導します。」

  と。其れ迄は小柄な背格好の所為で目立たなかったが、副長の背後から脇へすっと
 人影が動き、副長と同じく男達が囲むスクリーンを見上げ、呟く。か細い声。女性?

影 「どうやら成功、のようですね。」
副長「全員をバラバラに、とは行きませんでしたがね。まぁ十分でしょう。」
影 「そうでしょうか?」
副長「十分ですよ、十分すぎる程です。ご覧になりますか?」

 ピボッ  副長が自ら傍らのキーボードを叩き、正面のスクリーンへデータを出す。
 ずらずらっと並んだウインドウには全て、桜が丘高校軽音部の面々+引率・共連れの
 彼女たちのデータが並んでいた。しかも楽器までコミで。

 学園都市 一流の、詳細な能力データが。

副長「ゲートチェック時の測定結果です。
   ご覧の通り、全員が、揃いも揃ってレベル0。見事に能力の欠片も持っていません。」
影 「楽器についてまで御丁寧に。念の為にですか? でもまぁ、それはそうでしょうが。」
副長「しかも全員、今日初めて学園都市に来た、全くの外界の人間・物品ですよ。
   学園都市流に言えば、無能力者中の無能力者、最低の落ちこぼれ達です。
   そんな者たちが、一体何を起こせるとお思いで?」
影 「実際に起こしているじゃありませんか。インディーズレーベルでさえない、普通の
   学生のクラブ活動結果が発売1週間で10万枚を突破。同時リリースの2枚がオリ
   コンでTOP2。普通の女子高生がですよ?十分すぎる程です。」
副長「偶然ですよ、偶然。今回の計画が企画上程された際の審査会でも申し上げました
   とおり、全くの偶然ですよ。この測定結果がそれを見事に示しています。
   彼らが外界の無能力者でも、偶然に頼ればそんな事が出来ると言う訳ですよ。」
影 「そうでしょうか・・・
   まぁ、しかし、こうして計画は走り初め、現在も滞り無く進捗中です。」
副長「はい、全くその通りです。だから私は、自分の勤めを果たしますよ。
   これまでも、これからも、ね。」 そしてチャンスさえあれば、あの計画も、な
影 「...宜しくお願いします。」

 フッ 傍らへ佇む人影を、薄く鼻先で笑い、正面へ向き直り命令を発する。

副長「状況はどうなっている!?」

 「各グループは順調に個別に誘導されています」
 「律澪組、目標Aへ進行中」「唯梓組、目標Bへ進行中」「紬和組は目標Cへ進行中」

副長「よーし、そのまま別ルート別階層で誘導しろ。
   絶対に各組を接触させるな。いいな!」

 3グループに別れた9個のスクリーンの光点は、徐々に互いの距離を広げていった…

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今回は、一先ず此処迄。 では。
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