小沢は選挙上手だ、という小沢神話が蔓延している。
 しかし、民主党が去年の総選挙で大勝したのは、国民が自民党政権にほとほと愛想を尽かして、政権担当能力が出てきた民主党にやらせよう、と思ったからで、小沢がいなくてもこの結果になったと思う。
 勿論、「コンクリ−トから人へ」と称したバラマキ的マニフェストの魅力もあったであろうが、それだけではない。
 しかし、考えてみると、小沢流の政治手法が鳩山内閣におけるほど露骨に示された例はないと思う。そのいくつかをあげてみよう。
・業界からの与党への陳情の窓口を幹事長室に一本化し、権力が小沢に集中する体制をを造った
・政策は内閣で、党の仕切りは幹事長が、と役割を分担させながら、ことあるごとに民意だとして、子分を大勢ひきつれて、内閣に乗り込み政策に介入したこと
・政調会を廃止し、政調業務は幹事長室が独裁する体制を造ったこと
・その幹事長の政策介入内閣の政策遂行を混乱させたこと、たとえば高速料金の無料化と高速道路建設の二律背反指示など
・歳入を無視したような、選挙対策のための過大バラマキ政策をマニフェストに掲げ、歳入を上廻る大借金予算にしたこと
・政治資金規正法の抜道である、現金については申告無用になっている点を利用して亡父の遺産として4億円ものカネを長期間自宅に置いていたという不自然な主張を、貫いたこと
 これらの専横は、09年の総選挙で大勝したことでの小沢の驕りが表面化したものであり、小沢的政治手法まの象徴とも云うべき、自民党も顔負けの自民党的手法であると言えよう。
 村上新八