W(double) #30
真木子です。
『カメンライダー・ドラゴンナイト』の印象は、「龍騎だ……」
木戸君ならぬキット君が、吸い込まれて勝手に初変身となる以降は、完全に元
のまま流用だし。
新しい部分も微妙に元のイメージをなぞっていたり。
レンがターミネーターかマトリックスかという感じになってるのはアメリカ的
ですが。
そういえばレンはシャドーチェイサーみたいに一緒に変身する立派なバイクに
乗ってるのに、ミラーワールドもといベンタラに行くときはやっぱりライドシュ
ーターなのか。
第30話「悪夢なH/王子様は誰だ?」
○翔太郎の夢の中
ナイトメア・ドーパントに苦戦するダブルのところに、お亜樹ちゃんが駆けて
きて、フィリッ八が大変だと伝える。
起きろ!と自分の頭を叩いてみたりするが。
「無駄だ。俺が支配するこの夢の中で、おまえの意思で目覚めるのは不可能だ。
おとなしく、消えちまいな!」
だが、急に横を向いたドーパント、「掃除? あとでいいよ。……おい! ド
ア勝手に開けようとしてんじゃねえよ!」
きょとんとするダブルたちに、翔太郎の夢は危険だから二度と入らないと言い
残して消える。夢の世界も消えていく。
○風都大学グラウンド
「……起きれた」
フィリップにすがって泣き叫ぶ亜樹子の声。見ると、ウェザー・ドーパントが
迫っている。
「お目覚めですか。ちょうど今、君の片割れにとどめを刺すところです」
やめろ!と走り出す翔太郎より速く、鳥さんが雷撃を防ぎ、さらにフィリップ
を吸いこんだ。ウェザーの雷撃をかわし、竜巻を跳ね返して逆にドーパントを
吹き飛ばして飛び去る。
「これって、夢じゃねえよな」亜樹子が泣き顔でスリッパ一発。「あ痛っ!
……夢じゃねえか」 夢でも痛みは感じるみたいですよ?
装着したままのドライバーで声を送ってみると、返事はないが意識を感じる。
死んではいない。
「だったらもう、泣いてる場合じゃないよね」
「今回の事件の真相が、なんとなく見えたぜ」
○大学
さっそく抱きつく姫香を引き離した翔太郎、
「姫香ちゃん。“運命の王子様”……君はその言葉を研究室の仲間全員に言っ
た。そうなんだろ?」
いくらなんでも、という亜樹子の予想に反し、あっさりと認める姫香。
「優しくされると、つい、そう思いこんじゃうんですぅ」
「君のその言葉を真に受けて、怪物になってしまった人間がいる。恋敵たちを
眠り病で排除しようとした、王子様が」
福島君に近づく翔太郎たち。お掃除おばさんを怒鳴りつけた福島君、
「で、なんでしたっけ。今すっごく眠たいから、できたらあとにしてもらえま
せんかねえ」
「じゃあ単刀直入に。君がドーパントなんだろ」
反応のない福島君の肩に手をかけると、彼は眠っており、額にH。
犯人が福島君ではないとすると、やはり夢の中で確かめるしかない。翔太郎は
もうダメだということで、嬉々として亜樹子が立候補。
危険だし、何かつかんでも伝える方法がないと反対する翔太郎だが、
「あるわよ! 寝言よ」
○園咲邸
鳥の形のガイアメモリと聞いて、笑い転げる若菜。DJもこの調子でやってる
んでしょうか。
「仮面ライダーを助けに来たかのようでした。いや、えらい目に遭いました」
エクストリームのメモリか、とつぶやく琉兵衛に冴子が反応して問いかけるが、
スルー。
「そうか……ついに動き出したのか、あいつが」
○いわゆる電脳空間的な世界
来人、とシュラウドの声。目を覚ますフィリップ。
「ここは、エクストリームメモリの中」
傷は完全に治っている。
「あなたはまだ、死んではいけない。この星にとっても、私にとっても、必要
な存在なのだから」
「君が、シュラウドか」
○鳴海探偵事務所
装置を付けて眠る亜樹子。
「ここは大阪。うちの生まれ故郷や」
「すげえクリアな寝言だな、おい。確かにこれなら……」
○亜樹子の夢の中
いきなり通天閣。そこに向けて手を合わせる、たこ焼きコスプレの亜樹子。
《うちは鳴海亜樹子。お父ちゃんはめっちゃハードボイルドな探偵で大好きや
けど、めったに家に帰ってこーへん。せやからうちも、こうして働いてるわけ
や》 鳴海荘吉も家では大阪弁だったんでしょうか?
神社(新世界稲荷?)前のど派手な屋台を訪れる、赤服に黒メガネのこれまた
派手な兄ちゃん。
「亜樹ちゃん、今日も精が出るなぁ。そんなに稼いでどないすんねん」
「ほっといてや。うち働くのが趣味やねん」
「はぁ〜、そら偉いわ。感心するわ」と、こちらは変な髪形のさらにど派手な
兄ちゃん。
「フィリップ君こそ、最近検索のほう、どうなん」
「ぼちぼちやな。最近、あんまゾクゾクせぇへんねん」
「竜君は?」
「俺に質問するなや」
そこに歩いてくるおやっさん風の男。帽子をとったら翔太郎。
「おい、亜樹子!」
○事務所
「おまえ! 自分の目的すっかり忘れてんだろ」
○夢の中
そうやった、と見回し始める亜樹子。うしろで小突きあってる照井とフィリッ
プはなんやねん。
通天閣にドーパント発見。見たな、とお決まりのセリフ。
○事務所
「翔太郎君、うちと一緒に変身や!」
「なに言ってんだよ、もう……orz」
○夢の中
翔太郎にサイクロンメモリを渡す。
「って俺、こっちかよ!」「いくで!」
「「変身」」
翔太郎はぶっ倒れ、“なにわの美少女仮面”の文字とともにサイクロンジョー
カー登場。スリッパを手に、ドーパントのところまでジャンプ。
「さあ、おまえの罪を、数えろぉ。あ〜、やっちゃった♪」
戦っていると万博公園に移動。太陽の塔をバックにヒートメタル。
「痛いだろ、つんつん、つん!」
続いて大阪城をバックにルナトリガー。第一波の光弾は命中したが、第二波は
ナイトメアの網に吸い込まれる。
「もぉ。リボルギャリー!」
ポーズを付けて呼ぶと、石垣をぶち抜いて登場、ドーパントを跳ね飛ばす。
ふたたび通天閣でサイクロンジョーカー。
突っ込んでいくと顔面を殴られてダウン、変身が解ける。
「この世界、私以外は単なるイメージの存在でしかない。おまえが変身した仮
面ライダーもな」
「あなた、いったい誰なの! どーせ、姫香さんに好かれてるって勘違いした、
哀れな男なんでしょ!」
○事務所
「やーい、悔しかったら名乗りなさいよ!」
「おお、いいぞ亜樹子! その調子で聞き出せ」
○夢の中
「いいだろう。教えたところで、どうせ誰にも伝えられやしないからな」網を
手に近づく。「私の正体は――」
○事務所
亜樹子の悲鳴。
「よくやった、亜樹子。すぐ連れ戻してやるからな」
○メモリの中
「助けてくれたことは感謝します。でも、僕はすぐ戻らなければならない。翔
太郎が待っている」
「行ってはいけない。左翔太郎……あの男はあなたにとって不吉な存在。一緒
にいてはいけない」
○風都大学
教室のホワイトボードに、王子様に抱かれるお姫様の絵を描いている姫香。
現れた翔太郎に、子供の頃から何度も同じ夢を見ると説明。
ピンチになると王子様が現れて、「僕らは運命の糸で結ばれている。だからい
つか、きっと出会えるよ」と言う――
だから優しくしてくれる相手に「運命の王子様ですか」と訊いていたのだが、
それで誰かを傷つけて怪物にしてしまったと反省。
その犯人を告げようとするが、見ると姫香は眠っている。慌てる翔太郎。
○姫香の夢の中
林の中で王子様を探していると、ここだよ、とナイトメア登場。
逃げる姫香が転ぶ。
「チャンス! これを一緒にかぶろう。そうすれば二人は結ばれる。この夢の
世界で、永遠に」
「助けて、王子様!」
剣を投げてピンチを救ったのは、「か弱き乙女を、泣かせるもんじゃあねえぜ」
マントを翻す翔太郎。いつもの帽子に取り換えて、「俺は――」
○研究室
「――この街を愛する、探偵だ」
振り向いて驚くナイトメア。
「おっと、まずは俺から質問するぜ。被害者たちの額のHの文字、あれはおま
えのイニシャルか、福島元!」
変身解除する福島君。
「違うよ。僕と姫香さんのイニシャルさ」
なるほど、単独だと不自然だと思ったけど、共通させるためにHになったのね。
眠り病になったはずの福島だが、病院に連絡すると、目が覚めて帰ったと言わ
れた。疑われると予想しての偽装だったのだ。
「じゃあ次の質問だ。どうして姫香さんを怯えさした。好きなんじゃねえのか」
「わかってねーな。好きなのは、彼女のほう。彼女が僕を、運命の王子様だと
思ってるわけ」
なのに他の男に笑顔を振りまくのがつらくて、何日も眠れない夜を過ごした。
だから同じ思いをさせたくなったと言う。誰にでも同じように言ってるのに、
なんで自分だけ本命と思うかな?
かわいそうな奴と言われて、ナイトメアに変身。
「すげえむかつく。今度こそ、消してやるよ」
外に出て格闘。
投げ飛ばされ、殴り飛ばされる翔太郎。転がったまま、ダブルドライバーを装着。
○メモリの中
フィリップにもドライバー出現。
「来人……もうあの男とは別れなさい。そうしなければ、大変なことになる」
にらみ返したフィリップ、「僕は行くよ。相棒がピンチなんだ」
○大学構内?
ガジェットでドーパントを牽制しようとする翔太郎だが、反撃を受けてボロボ
ロ。
「ようやく気が晴れたかな。今度の一撃で、楽にしてやるよ」
「てめーみてぇな卑怯者にやられてたまるかよ」
「ふん、寝言は寝てから言え」
光球を鳥さんがはじき返し、フィリップ出現。
「やあ、翔太郎。遅くなったね。再会の挨拶はあとにして、まずはあいつを倒
し、みんなを目覚めさせよう」
変身。
「きさまら、本物の仮面ライダーだったのか!」
格闘開始。今度はナイトメアが劣勢。
逃げ出すドーパントを、ルナジョーカーの腕で捕縛。
「う、腕が伸びた! 悪夢だ!」
メタルに切り替え、シャフトの鞭でお仕置き。
最後はメタルイリュージョンでメモリブレイク。
「ヒメカリン……ふたりで、楽しい、夢を……」
○夢の中
そろそろ目を覚ますんだ、と翔太郎の声。
○大学
連行される福島君。
亜樹子と照井は、よく眠れたなどと言っている。
姫香がパトカーに駆け寄った。
「福島君、ごめんなさい。……待ってます。運命の王子様じゃなくて、福島君
が帰ってくるのを」
走り出すパトカーに、手を振る姫香。
呆気に取られながらも、悪くないラストシーンだと翔太郎たちが帰ろうとした
とき、にぎやかにヒメカリンに駆け寄る6人の小人、もとい研究生たちと教授。
「ありがとう。姫香、みんなみんな大好き!」
これを聞いて、いちばん好きなのは自分だと皆が揉め始める。
「ケンカはやめて! 姫香、みんな、同じぐらい大好きですぅ」
まったく変わってないとガックリする翔太郎と亜樹子、
「さあ、おまえの罪を数えろっ」
○HOUKOKUSHOの時間
《事件は終わった。これで雪村姫香はぐっすり眠ることができ、いい夢を見る
だろう。それにしても、気になるのは――》
亜樹子の夢の話を聞かされているフィリップに呼びかける。
「おまえ、あの鳥と一緒にどこ行って何してたんだ」
「……今は、まだ言えない。でも、これだけは言える。僕のパートナーは、翔
太郎、君ひとりだ」
赤くなって亜樹子にからかわれる翔太郎。めでたしめでたし。
大阪というと、なんでこうド派手のコテコテになるんでしょうか。
じつは井坂先生も大阪人。そして若菜姫に刃野刑事、サンタちゃんと、どこを
向いても大阪人がいる番組……
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★☆★ この世に正義がある限り、悪もなくなることはない:-) ★☆★
小路 真木子(SHOJI Makiko) shoji@kyoto-econ.ac.jp
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