29日朝の通勤時間にモスクワの官庁街の地下鉄電車で二箇所の同時自爆テロが発生、38名死亡、70名以上が重軽傷をほ負うという大惨事になった。
 自爆したのは二人でともに女性であつたという。
 大統領、首相が現地を視察し、絶対にテロを殲滅する、とテロと戦う決意を述べた。 

 そう云うしかないのだが、実際にはこの種のテロを根絶することは困難である。
 当局は、チェチェンのイスラム過激派の仕業とみているが、それ以外には考えられない。
 この女は、おそらくロシア軍に夫を殺害され、庇護すべき子どももなく、前途を悲観した結果、こういう方法で自殺する道を択んだのではなかろうか、と推察される。
 とすれば、このようなテロは、航空機とは異なる地下鉄という交通機関の性質を考えると、今後も忘れた頃に起こり得るものと思わねばなるまい。
 村上新八