選挙上手の小沢の価値は08年の参院選での勝利までであったと思う。
 09年の衆院選の圧勝は、小沢の選挙作戦よりも、有権者が自民党に愛想を尽かした結果である。
 それには、民主党が参院第一党となり、政権交代の可能性を示したこともあるから、間接的ながら、その前年の参院選勝利に貢献した小沢の功績は認めねばなるまい。
 しかし、現在は、政治とカネの問題ばかでなく、陳情の幹事長室一元化や高速道路建設を巡っての、不透明な建設復活問題、工事「箇所付け」情報の漏洩など、旧い集票手法の駆使が目立ちすぎる。
 このことが、チェンジを期待していた国民感情に違背することになり、この先、子ども手当ての公約見直しや普天間移転の空転問題など難問を抱えて、国民に理解を求めねばならない鳩山政権には大きなマイナスになるはずである。
 早急に、「小沢的な旧い体質を切り捨てる」という民主党の賢明な英断を求めたい。 

 村上新八