元旦のパキスタンで、バレ−ボ−ル会場で爆弾自動車テロが起こり、観客など98名が死亡した。負傷者はこの数倍に上るであろう。
 パキスタンでは、アフガンのとばっちりで、北西部の部族地帯中心に民間人のテロ犠牲者が多発、09年には、2281名に上った。この数は、テロと戦う正規の治安部隊の死亡者の2.3倍にのぼるもので、07年に比べて1.5倍に膨れ上がっているのだ。
 これは、最近のパキスタン軍によるアルカイダの掃討作戦やそれに協力した住民に対する報復だ、と見られている。
 民間人を巻き込むのではなく、同じくイスラム教徒である民間人を標的にするテロは、絶対に許せないが、そんなことを百万遍言ってもテロは続くであろう。
 それを武力で制圧しても、一時的に沈静化するだけで、すぐに息を吹き返してくるのだ。その資金は阿片売りで稼ぐのだから、銀行口座の凍結などは全く役に立たない。
 このままでは、この種のテロは未来永劫続くのであろう。
 これに有効な手が打てない、オバマの「対話とチェンジ哲学」はどこへいったのだろうか。
 村上新八