「事業仕分け作業」の反省点も認識せよ
政権交代で、政治の柱の一つである予算編成の過程が革命的転換を起こしつつあるし、これは真の民主主義への道であることは認める。
しかし、今回の仕分け作業は、予算編成の時期が迫っていたこともあって、いささか拙速であった感もまぬがれない。その点を反省して、より良い「予算編成プロセス」への進化を図ることが必要である。
その反省点は、少なくとも4つある。
1事業見直しの哲学が未完成である
官僚の利権追求事事業を抉り出し、カットすることは良いが、これが近視眼的な予算カット目標の達成だけに突っ走っている感がある。
2概算要求を青天井にしたことが、95兆円までに要求を膨らませてしまい、そのために手間が増えてしまい、優先順位付けなどゴリ押し的なこともやらざるを得なくなったこと
マニフェスト実施のための新規費用を含めて、概算要求を前年度当初予算よりも増やさないことを最初に指示すべきだったと思う。
3来年度は、税収が37兆円くらいしか見込めないから、一方で財政規律の面も考えると、やむを得ずカットせざるを得ない事業や項目もあることは分かるが、本来やるべき事業であるか、カネがないから勘弁してほしい事業や予算額については、景気が上向き税収が増えたら、復活させる、というような条件付けも考えるべきである。その方が国民も安心し、納得するのだ。
4医療保険制度の哲学がない
哲学がないから、「市販で買える薬は保険から外す」 などという雑駁なことを言い出すのだ。
「市販」ではない医療はないのだ。もういちど勉強しなおせ。
村上新八
Fnews-brouse 1.9(20180406) -- by Mizuno, MWE <mwe@ccsf.jp>
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