「核兵器なき世界」を目指そうと安保理で全会一致で決議した。
 安保理議長にアメリカ大統領がなったことも、安保理が前回一致で決議したことも、いずれも初めてだ。
 画期的なことではある。その手始めには、米国が批准していない、包括的核実験停止条約(CTBT)の批准や核不拡散条約の批准推進ということになるであろう。
 非常任理事国の日本の鳩山は、その会議で、「唯一の被爆国としての日本が核廃絶の先頭に立つ」と決意を述べ、「核保有国の首脳は、廣島、長崎を是非訪問し、その悲惨な実態を知ってもらいたい」と訴えた。
 オバマは、このままでは、核兵器が世界中に拡散して、テロの手に渡り、核兵器が使われる可能性が高いことを恐れ、それを阻止したのであろう。
その気持は良く分かるし、「核兵器なき世界」の理想もよい、前回一致の決議も良い。 

 が、せいぜい核兵器保有数を減らすくらいが落ちで、ゼロにする可能性はゼロであろう。
 一旦開けられた「パンドラの箱」から飛び出して飛散してしまった「核兵器という悪」は絶対に元へは戻らないのである。
 村上新八