NASAの映像をまとめた映画が公開される、とは聞いてましたが、さほど
興味を感じることもなく。しかし、NHKのニュースで紹介されてたのを
見たら、急に気持ちが盛り上がってしまい、見に行ってきました。

まあ、基本的にはどっかで見たような絵が多いし、マニアな人にはさほ
どの新鮮味はないと思います。私はそれなりに堪能しましたが。

ただ、いくつか気になる点もありまして。
まずは、ソースがNASAだからかしんないけど、旧ソ連がらみの話は一切
出てきません。米国人にとっては、いまだにスプートニクとかガガーリ
ンとか屈辱的なアレなんですかね。スカイラブとかもあったはずなんだ
けど。あ、ソ連だけじゃない。外国人飛行士とか国際宇宙ステーション
の話もゼロ。まるで米国が宇宙(というか世界)を独占しているかのごと
き構成です。製作はBBCのはずなんですが。

で、そんなこともあいまって、いまさらながら思い知ったのは、たとえ
ば「人類にとっては大きな一歩」とかその手のアレも、しょせんは米国
の威信とかそういうアレのお飾りなんだよな、ということ。ジェミニか
なんかの飛行士で、聖書の一節とともに「全人類に祝福を」とか祈って
くれちゃってる人もいたし。こういう人が、土人はキリスト教徒じゃな
いから人間じゃない、とかやっちゃってたんだろうな、とか。やっぱり
「人類の進歩と調和」なんて、未来永劫ありえないとしか思えん。

と、そんなこんな思うところはありましたけど、そもそもドキュメンタ
リー映画つうのは、見た人にそんなこんな思わせることがひとつの目的
なんだろうから、それはそれでいいんでしょう。

いいんだけど。この映画に関しては、ひとつだけどうしても許せんこと
がありまして。それは、エンディングのスタッフロールがひととおり終
わると同時に、映画とまったく無関係な日本語の歌が流れ出すこと。そ
の間、画面には日本語版のスタッフロールが表示されてるんですが、こ
れがまたやたらスローペースで、明らかに音楽優先の時間稼ぎ。つか、
なんでオリジナルのクレジットより日本語版のクレジットのほうが時間
かかるのよ。しかも、なぜかわざわざ英字表記で。日本で追加したわけ
じゃないよ、っていう偽装か?

私は、映画を見るときは、基本的には場内が明るくなるまで席を立たな
い主義なんですけど、今回ばかりは我慢できずに出てきました。

あと、つまんないことだけど、ラスト近くでCGの地球が大写しになる場
面。なぜか日本が真ん中に映るのも、やっぱり日本向けのローカライズ
なんでしょうな。アニメの登場人物の服装がどこぞの民族衣装に書きか
えられてるのを見ちゃったような不快感。とはちょっと違うか。

感じ悪いといえば、邦題もそう。なんだよ「宇宙(そら)へ。」って。本
気と書いてマジと読む featuring 竹宮恵子 with モー娘。か? いろん
な意味で、この配給元はセンス悪すぎ。

あ。日本語版のナレーションが私の嫌いな芸人のひとだったのも、個人
的にはマイナスポイントでした。素直に字幕だけつけてりゃいいのに。
--
AMAUMA