毎年、廣島、長崎への原爆投下の日になると、両市長が「核廃絶宣言」を世界に向けて発信する。
 今年は、オバマが米大統領としては、初めて「核なき世界」への願望を述べたから、一層力が入ってはいた。
 しかし、世界の核拡散はなくならない。「核兵器」という「パンドラの箱」を開けてしまい、悪が世界に拡散してしまった以上、元へは戻らないのだ。
 こうして、核廃絶への希望も宣言も、「言っても蔓延る、言わなければなお蔓延る」程度のものになってしまっているのだ。
 そして、アメリカ国民の大部分は、未だに「廣島、長崎に対する国際法違反の核兵器の使用は、戦争を早く終わらせた、という効果の故に正しかった」と思っているのである。
 オバマは「私の存命中には『核兵器なき世界』は実現しないであろう」と言っている。それは正しいであろう。
 が、せめて、核兵器がテロの手に渡らないようにはしてほしいものだ。
 村上新八