今回の総選挙向けのマニフェストには、自民、民主両党とも、官僚の天下り禁止を掲げている。
 自民党が甘栗禁止を打ち出したのは、32年前の福田赳夫内閣のときだ。
 しかし、未だに、「天下り」はなくなってはいない。行革と称する活動は常にあるし、改革案と称するものも出されてはいるが、「天下り」は健全である。
 今回のマニフェストでも、自民党は、官僚が定年まで勤続できる制度を造ってから、「あま下り禁止」を考える、などと甘い。
 こんなことでは、天下りの斡旋はしないが、ご指名があれば別だ、なとどいう抜け道を造って、裏から指名の声ほ上げさせるようなことを考えることは間違いあるまい。
 自民党には、長い政権居座りによって出来た官僚との感情的しがらみだけでなく、利権からみの官庁応援族議員も沢山いるから、官僚に対するコントロ−ル機能を喪失してしまっているのである。
 こんな党に有効な「天下り禁止」制度など造れるはずはないのだ。
 村上新八