暑くて眠れないのでくるまに乗りふらふらと伊豆に向かう、天気も
いいことだし早朝に高原を走る伊豆スカイラインで涼むというのは
なんともナイスではないかという安直な発想から東名を厚木ICで
降りて街路灯もないしょぼい小田原厚木道路の真っ暗な道をひたす
ら走る、箱根ターンパイクを通れば早く着けると予定していたのに
深夜は閉まっていて通れないことが現場で発覚、別の道を探すもま
たもや道に迷い死ぬほど真っ暗でぐねぐねに曲り上がったり下がっ
たりする海岸線の崖ップチ国道135号を走ることになる、左手に
見えるガードレールの先には漆黒の闇だが多分海なのだろうし右側
からは覆い被さるように樹木の陰が襲いかかるので、景色もなにも
なし、ひたすらハンドルを回し、ブレーキとアクセルを交互に踏む
湯河原と熱海の辺りは道幅が広くなるけど深夜なので人影はなし、
ほんとにこっちに進んでいいのか分らない不安を抱えながら猛スピー
ドで追い上げをかけてくる後続車に急かされて闇雲(ホントに闇)
に進むことしばらくして後続車も対向車もなくなるころ「伊東スカ
イライン入り口」の看板を見つけた。
これで帰りは安穏な高速道路を使い帰ることができると思っている
ところで、「伊東スカイライン」は高速道路でないことを思い知る
海岸線が山の尾根に変わっただけで道路は相変わらず狭くて、ぐね
ぐねに上がったり下がったりする制限速度は50だけれど制限なん
かされんでも50キロで走れば曲がり角で山の斜面に転がり落ちる
そして、視界3メートルの霧(自分は一体ここでなにをしているの
だろうと実存的不安にとらわれる、もしかしてこれは夢で実はふと
んで寝ているのではあるまいかと不安になる)往路とおなじくハン
ドルにしがみ付いてブレーキとアクセルを交互に踏み山の森を巡る
真っ暗な道を走る、往路では深夜のため通行人がいないので楽だっ
たが、復路では難易度アップして、注意していないと鹿とぶつかる
こんな人気のない山の中で事故ったら目も当てられない。
風光明媚と宣伝文句が踊っていた「伊東スカイライン」も真夜中な
ので真っ暗でただひたすら危険と隣り合わせなだけ、休憩所も何箇
所か見かけたが明かりもなく真っ黒な影のカタマリに休憩の意味が
あるはずもなく、おまけにそれが濃い霧に覆われてるとあっては、
クルマを降りた途端に霧のなかからゾンビが襲いかかってくるよう
な恐怖すら想像してどこにも寄らず熱海峠ICまで走りきる。
それから正月に駅伝中継で見たことがあるような箱根の坂道を横切
り強羅温泉街を通り御殿場ICにたどり着いた

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のりたま@そのあと東名で帰ってきたはずだが記憶がない