小沢氏が辞任しました。

小沢氏の熱烈の支持者の手前、なかなか決断に踏み切れなかったんでしょう。

「政権交代を何よりも最優先する」という小沢氏の意思がわかってない熱狂的な
小沢支持者の中には、これでもう終わりだと早合点している方も多数おられる
ようですけど、それは小沢氏の意思を全く理解していないとしか言いようがない
です。

むしろ、小沢氏の判断を鈍らせたのは他ならぬ小沢氏の熱狂な支持者じゃない
ですか?

小沢氏がトップじゃないとダメだと勝手に思い込んで小沢氏に辞めるな!と
言うことで反って小沢氏の冷静な判断を鈍らせたんじゃないかと。

小沢氏はトップに連綿とすることに拘る人ではありません。むしろ目的達成の
ためなら手段をいとわない現実主義者だと思ってます。その判断を鈍らせた
ということは小沢氏も情にもろいところがあったということなんでしょう。

同じ局面でもし小泉氏のような冷徹な人間だったらもっと早い段階で
そういった情的な部分をバッサリ切って鮮やかな決断をしたところなんで
しょうけど小沢氏は支持者の熱烈な声には勝てなかったんじゃないかと。

それはそれでとても人間的だし悪いことじゃないとは思いますが、こと政治の
世界はタイミングや判断を間違えると同じことをやるにしても効果が半減して
しまうことも多々あるわけで、そういう意味では小沢氏は支持者の声も大切
だけとその支持者を説き伏せてここはこういう行動をとるべきだと説得させて
しまうだけの力量はほしかったですね。

# まぁ、そもそもそういう力量があれば今日の事態にまで追い込まれ
# なかったでしょうけど・・・

政治家にとっては敵を攻撃するだけでなく味方をも説き伏せる説得力も
持ち合わせてないとダメってことです。

小沢氏は湾岸戦争当時絶大な権力を持っていた自民党幹事長でした。
多国籍軍の多額の戦費を拠出させられたにも関わらずクウェート政府
から全く感謝されなかったという外交戦略を失敗した経験があります。

小泉氏は他者からどう見られるかということを気にして行動を決める
ところがあるのに対して小沢氏はそこらへんが無頓着な感じを受けます。

そういったところがあるからマスコミ受けも良くないし、湾岸当時でも
他国から評価されるような演出ができなかったんでしょう。

小沢氏が評価されたのは田中元総理からの直伝である「どぶ板選挙」
の精神を民主党に与えたことでしょうね。様々な団体やコミュニティ−
の中に入って行って話を聞き支持を取り付けるという地味だけど民衆の
要望がどこにあるのかをしっかり受け留めるという政治の原点を教えて
くれた功績は大きいんじゃないですか。

駅前でただ一方的に演説しているだけじゃなくて日頃から民衆の要望
を聞いてそれに応えていく努力をすることが支持を徐々に広げることだと
私も思うんで、その基本がわかってなかった民主党議員にとっては
1つ成長できた切欠になったとは思います。

ただ、政権交代に関しては小沢一郎じゃないとダメということはありません。

はっきり言えば巨人が故障続きでどうしようもないときに阪神が勝った
のと同じで誰がトップになったって勝てる状態だってことです。

3人も政権のたらい回しや世襲議員の数々の失態を見せ付けられれば
誰も今の自公政権に期待しようなんて思う人はいないでしょう。

普通の感覚のある人ならまず政権党に投票しようなんて思いません。

一部、ネットでイデオロギー掛かっちゃった人や既得権を教授している
関係者ぐらいでその関係者も大部少なくなっちゃってますから、もう
多勢に無勢で自民党が無党派層を取り込むことはほとんど不可能に
近いことだと思ってます。

そういう状況なんですからあまり小沢神話を妄信してしまう必要は
ないと思います。

それよりも民主党が支持率を上げていったのは政権党に対して
攻めの姿勢でどんどん追い詰めていったときなんですから
その勢いをそがれてしまって支持を広げるなんてことができる
わけないことは日を見るより明らかです。

攻めの姿勢に転じるにはやはり菅さんが一番最適だと私なんかは
思うんですがどうもそうはなってないようですね。

ここが不思議なところです。そんなに菅さんは嫌われているの?

組織の中では敵を多く作ってしまってあまりうまく立ち回れない
タイプの方なんだろうか?

民主党はこういう機会なんですから党員も巻き込んで多数
有力者を立候補させて党首選を国民の前で行うべきです。

そこで立候補された方は例え政権交代後に総理にはなれなくても
将来総理になる可能性を持ちえるわけですから、そういう意味でも
かつて自民党が小泉さんを交えて総裁選をやって小泉氏が総裁
に選出されたときと同じ感じでマスコミも含めて民主党の党首、
延いては日本国の首相となる人物を選ぶある意味前哨戦の
ようなことをこの際行うべきです。

それが開かれた政党をアピールする機会にもなるし決まってから
文句を言われることもなくなる一番良い方法です。

その際には菅さんにも出馬してもらいたいし、他にも自分なら
こうするという構想のある人はどんどん出てもらって国民に
見える形で民主党の人材をアピールしてもらいたいです。

そういう機会が折角到来したのに内輪で内々に決めてしまう
なんてことをしたらホントもったいないと私なんかは思います。

今後10年ぐらいの日本のあり方を決めてしまう要になるような
首相なんですからある程度国民の意思(擬似的ではありますが
民主党員)が反映される形で党首を選んで与党との頂上決戦
に望むべきです!