自衛艦2隻がソマリアの海賊対応のために派遣された。海上警備行動の名目である。 

 自衛艦も軍艦だから、本来は、「海賊対応のために」ではなく、「海賊撃滅のために」、「派遣された」ではなく、「出撃した」と書くべきであろうが、そうは書けないのが、いまの自衛艦の機能なのだ。しまらないことおびただしい。
 武器の使用は、緊急回避と正当防衛の場合のみだから、海賊から攻撃を受けたときに限定されている。
 だから、海賊が攻撃しないで、近づいてきたら、阻止の警告射撃をするだけ。それでも聞かずに、船舶に近づこうとしたら、間に入ってこれを妨げるだけしかできないという。
 普通の軍艦なら、その姿を見ただけで海賊は逃げるだろうが、こんな情けないことしかできない自衛艦だと、海賊が知ったら、逃げるどころか、攻撃はせずに近寄ってきて、自衛艦が海賊に乗っ取られて、自衛隊員が人質になる、というような漫画チックなことも起こりかねないのではないか。
 「海賊法」も審議中というが、しっかりした中身にすることを希望する。
 村上新八