ス−ダンでは、アラブ系とアフリカ系との武力抗争で死者30万人以上、家を追われたもの270万人という悲惨極まる事態が発生している。
 国際刑事裁判所(ICC)は、その首謀者であるバジルス−ダン大統領に対して、ジェノサイドの容疑で逮捕状を出した。
 国内に止まる限り逮捕されることのないバジルは、これをせせら笑っているが、問題なのは、これに対して中国、ロシアの反対で、国連安保理が同意の決議も出せないことである。
 中国、ロシアの反対理由は、「内政問題だから」ということだが、本音は違う。
 中国は、国内での人権抑圧やチベット、新疆ウィグルでの植民地化問題を抱えており、ロシアは、言論封じのためのジャ−リストなどの暗殺、メディアの支配などの基本的人権の弾圧を行なっているために、ス−ダン問題が自国批判の形て跳ね返ってくるのを警戒するからである。
 こんな国が、安保理の常任理事国として居座っているのは、世界にとっては有害であると言わざるを得ないのである。
 村上新八