公務員制度改革の本旨は、公務員の労働基本権問題や高給官僚の
天下りやワタリの是正にある。

そして何よりも通常の公務員が一生かかって手にする退職金の額を、
高級官僚ならたった一年在任するだけで簡単に手に入れ、これを
繰り返すことによって数年にして億単位もの退職金をものにするという
考えられない不合理を是正することにある。

高給官僚がワタリで得られる現状の高額の報酬は如何なる名目であれ、
贈与にひとしいもので、本来、税率の高い贈与税の対象となるものなのだ。
てっとりばやくいえば、この高額の退職金さえ解決されるならば、
あとはどこへ再就職しようとどうぞご勝手に、というたぐいなのである。

ところが制度改革の趣旨がいつのまにか阿呆の口のようにぐんにゃり
曲げられ、今では、公務員改革といえば、政府の人事権を如何にして
強化し確保するか、にかかっているものの如しである。

「官民人材交流センター」ってありゃなんだい。高級官僚のための
ハローワーク、いってみれば、就職率100%の職業紹介所ではないか。
税金を使って、高級官僚のみの再就職を優先的に斡旋する、それで
よかろうはずはない。改革をいうならば、まずはこうした変な機構を
ばっさりと切り捨てることだ。