「低価格志向」も単に安いだけではダメ。品質とのバランスが常に志向される。
消費は、長期的に見れば経済環境、社会・文化環境によって影響を受け、変遷を遂げてきているといえます。
第二次大戦直後の時代から、家計支出の構造も大きく変わってきています。
 まず、食料品に対する支出は大きく減少してきました。さらに社会のサービス化を反映してモノに対する支出の割合は低下している一方、サービスへの支出の割合は増えてきています。
 最近では消費行動に「低価格志向」が見られます。
 円高によって安い輸入品が流入してきていることがあります。
 こうした海外製品との競争激化は、国内においても規制緩和の流れのなかで大型安売り店を増やし、消費者の「低価格志向」にあった販売活動が繰り広がれています。
 しかし、消費者は単に価格が安ければよいとしているのではありません。
 コメを例にとれば、価格の最も安いがより多く売れるのではなく、より嗜好ににあったコメをより安く買いたいという消費者行動をおこしており、そこには消費者の賢い選別があります。
 こうした消費者の「低価格志向」は、バブル期の一時的な反動というだけでなく、規制緩和による流通システムの効率性の改善の動きとあわせて定着していくものと思われます。



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長谷川です