20日、大統領就任式には200万人もの観客が予想されるという。
 ワシントンは、まるで天から救世主が降り立つようなフィ−バ−ぶりである。
 百年に一度と言われる金融危機、株の暴落、1000万人を超える失業者、破綻に瀕する自動車メ−カ−ビッグ3、ドルの暴落等など世界の超大国アメリカの凋落で、アメリカ国民が先行き不透明感に苛まれていることはよく分かる。
 そんなときに「CHENGE」「YES 、WE CAN」を掲げて当選した黒人大統領のハプニングに、米国民、とりわけ貧困者層が期待を掛ける気持も分からないではない。
 しかし、オバマの前には難問が山積しているのだ。国内経済の挽回問題が焦点だが、イラクからの撤退、アフガンの安定化、テロ対応、イランの核開発、中東問題、北朝鮮の処理などいずれも難問ばかりだ。そう短期間に片付くものは一つもない。
 過当なオバマへの期待は、急転直下の失望に変るのだ。「救世主視」は危険である。 


 誰かが、この過熱し過ぎたオバマ・フィ−バ−を冷ましてやる必要がある。
 村上新八