米国発の金融危機で世界中が深刻な不況に喘いでいるなかで、いまのところ、この状況からの出口は見えていない。
 企業は、経営維持のために、まず、非正規労働者の解雇から始め、次に正規社員の解雇に手を付け始めている。
 「起業は人なり」というが、企業を維持するのは人以外にはなく、人はまさに企業の宝である。
 その意味で企業では、人は「人材」というより、「人財」なのであり、この人財を切り捨てることは、企業の社会的責任は別として、企業にとっては大きな損失なのだ。
 今の給与で十分だとは言えないが、この給与水準を20−30%下げてもメシを食っていける水準ならば、今の給与をカットしても、解雇はしないで、人財を温存することが企業にとっては得策なのではないか。
 解雇して、仕事もない世の中に放り出すよりも、生活を切り詰めても助け合うことが遥かに人間的でもあるのだ。
 これは、社長の識見の問題であろう。
 村上新八