年が改まって、賀詞交換会が始まる頃になってから、大企業経営者が「ワ−クシェアという選択肢もある」などと口を揃えて言い出した。
 昔、共産圏が勢いのあった頃までは「搾取」という言葉が盛んに使われた。この、死語になっていた言葉がそのまま当てはまるのが、派遣など非正規労働者たちの使い捨て労働者である。
 経営者は、年末の「派遣村」などの悲惨な実態を見せ付けられて、改めて
ワ−クシェアリングを思い出したのであろう。
 かって、小泉政権時代の05年に、ワ−クシェアリング政策が打ち出され、71億円の助成金も付けられたことがあった。
 しかし、実施したのはたった4社のみ、使われた助成金はたったの400万円のみ、という失敗に終わった経験があるのだ。
 その失敗原因をよく検討して、金融危機不況を乗り切る一助とすることを期待したい。 

 村上新八