先進国と新興国20カ国が集まった金融危機に関する20カ国首脳会議の宣言が出た。 

 とくに注目したかったのは、金融市場改革だが、これでは監視だけで予防までには至らないと思う。
 「規制当局間の国際連携の強化」「複雑な金融商品の開示拡大」「核付け会社の強力な監督」「IMFなどへの改革を推進」などの原則は、すべて監視だけである。
 これでも一歩前進ではあるが、非力な国際法的取り決めで、国内法で取り締まるのとは異なり、これだけでは、金融危機を予防することは到底できまい。
 金融工学を駆使して、目の大きな網の目を潜るくらいは簡単であろう。
 クリ−ンスパンは、「100年に一度」と地震災害のようなコメントをしていたが、悪知恵の塊である投資ファンドに裏をかかれれば、次の金融危機に見舞われるまでには、10年も掛からないのではないか。
 村上新八