民間が募集した懸賞論文に応募して「わが国が侵略国家だというのは濡れ衣だ」という論文を書いた田母神空幕長が更迭された。
 日本の満州国建国、中国、インドシナ半島への進攻が、植民地獲得競争に遅れをとった日本の焦りによる侵略戦争であることは世界の定説になっている。
 それを蒸し返して、「日本の占領下にあった国々からは、評価されている」などと妄言を並べた論文だという。
 さらに、「自衛隊は武器の使用までがんじがらめに縛られており、これでは日本の防衛などできない」とまでのべている、という。
 田母神は、そのような考えは日頃からの自分の持論だと嘯いているのだから、省内幹部で、知らぬ者はいなかったのではないか。
 こういう思想の持ち主を制服組の長に据えた防衛省は一体何を考えているのか。
 これを他国が聞いたら、日本はまた侵略戦争でも始めかねないな、と思うであろう。制服の長即ちゼネラルが言っていることだからだ。
 こういうのは、更迭では済まない、即免職にすべきだ。
 村上新八