麻生が、30日、追加経済対策として、第二次補正予算案を発表した。中身は民主党のマニフェストの盗用だが、違う点が三つある。
 その第一は「定額給付金」だ。所得や納税に関係なく、すべての所帯に対して4万円−6万円を一律に給付するというものである。
 総選挙を直前にして、こんな露骨な買収行為は前代未聞である。そんなつもりではない、と言ってもそうだと思わざるを得ない。
 ただでくれる、というのだから、断る人もないであろうが、「あまりにバカバカしいから、飲んで自民党の悪口を言う」と言っていた人の気持がよく分かる。
 同じ2兆円もの金を使うから、もっと気の利いた使い道があるはずである。
 このカネを、注文減、資金繰り難、材料高の三重苦にあえいでいる中小企業融資の保証金にでも回したら、その10倍もの効果があるだろうに、
 こんなカネで票を買うつもりになるほど、日本の有権者をバカにした話はないのだ。 

 第二は、その財源だ、政府は霞ヶ関の埋蔵金を使うようだが、特別会計や行革に抜本的な手を入れてやることは自民党政府にはできない仕事だ、民主党だからやれることだと思う。
 これなくしては、赤字国債に頼らざるをえなくなるのだ。
 第三は、3年後の消費税の増税を明言したことだ。民主党のマニフェストでは、約220兆円にのぼる財政支出を抜本的に見直せば、その10%の22兆円くらいの財源は生み出せるから、消費税は増税しないでよい、と言っている点である。
 麻生の「消費税増税」の話は、麻生に好きなバ−のホステスに札びらをばら撒くようなつもりでやるのであろう、気前好い「バラマキ」の先に過酷な取立てあり、という「ヤミ金業者」的手口である。
 有権者は、これらの点をよく判断して、総選挙に望んでもらいたい。
 村上新八