7月の最高値の時期には、、バレル150ドル台に高騰した原油が半値以下の70ドル台にまで急落した。
 同様に、大豆は2割、とうもろこしは3割の下落である。
 これはリ−マン・ブラザ−ズに端を発した世界的金融恐慌に準ずる金融危機の影響による需要の減もあるが、主たる要因は、投資ファンドが大損を出して、原油、穀物に対する投機資金を引き上げ始めたことにある。
 原油、食材の高騰が諸物価の高騰を齎し、後進国のみならず先進国の中流階層以下の首を締め上げたのだ。こうして、一旦高騰した諸物価は、先物相場が下がったからと言って即低下するものではない。
 こういう投資ファンドの、レバレッジ資金を操り、物価を釣り上げ、家計を崩壊させるマネ−ゲ−ムは、まさに経済界における悪質極まる「テロ」行為である、とい言わばなるまい。
 これは、資本主義の最大の害悪として、法的規制によって、厳しく取り締まる対策を早急に講ずべきである。
 昨年のドイツでのサミットの際に、議長国ドイツのメルケル首相が、投資ファンド規制の提案をしたにも拘わらず、ブッシュが「金融を阻害するものだ」として抑えてしまったのだ。
 その結果がこうなったのだ。健全な資本主義を維持、繁栄させるためには、投資ファンド規制は必須の条件であると思う。
 村上新八