25日のNYタイムスの社説で、新首相麻生について、「日本の近隣諸国では、けんか腰のナショナリスト、と言われて好意的には記憶されてはいない」と紹介されている。
 麻生は、失言居士だが、いつか「戦前、戦中に、朝鮮人に日本が日本名への『創氏改名」を強要した」件について、「それを求めたのは朝鮮人自身だった」と述べたのを記憶している。
 彼の実家は、九州の炭鉱経営をやっていて、当時多くの朝鮮人炭鉱夫を使っていたから、その時の話を聞きかじって、そう言ったものであろう。
 それは、朝鮮人炭鉱夫が、いろいろな手続きの便宜上、そういう申し出をしたかも知れないが、本心ではなかったのは当然である。
 そのくらいのことが分からないでは困るが、それは彼のおっちょこちょいの為せる技であったと思う。
 その他には、ナショナリスト臭い発言は記憶にないが、ともあれ、おっちょこちょいのお調子者だから、くれぐれも用心が肝要である。
 ただし、26日の最初の国連総会での演説の途中で、通訳機が故障した際、すかさず「その機械は日本製じゃないでしょうね」とジョ−クを飛ばし、満場を沸かせたような軽妙洒脱さは彼の特技であり、なくさないで欲しい。
 村上新八