安倍首相、福田首相と二代に亙って、短命で、しかも突如として辞職した。その辞任の事情は違うが、突如内閣を放り出してしまったことは同じである。
 衆参のねじれがあるとは言え、衆院で絶対多数を擁する政権与党が、首相を支えられなかった、と言う意味では恥ずべきことである。
 一体政権担当能力がある与党なのか、と疑念を持たれても、当然である。
 そればかりではない、現在の衆院与党の絶対多数は、「郵政民営化可否を問う国民投票選挙」だとして小泉が国民をペテンに掛けて戦った珍妙な「劇場選挙」の産物であって、安倍、福田ともに、首相として自分が勝ち取った選挙ではないのだ。つまり、二人とも選挙という洗礼を受けていない首相だったのだ。
 それを継ぐ新首相もが、選挙の洗礼なしでは済まされないのである。
 内外の政治課題は山ほどあり、与党の支持率が低迷しているなかでの選挙は、与党にとっては荷が重いのは分かっている。が、だからと言って、政策成果が上がるまで選挙を先送りすることは、許されまい。
 新首相と新内閣は、選挙管理内閣に徹して、真っ先に国民に信を問うべきである。
 村上新八