昨年末、日本で発生した、中国天洋食品ず製造した、農薬「メタミドホス」の毒入り餃子中毒事件について、中国当局は、「製造過程での個人的犯行であることが判明した」と発表した。    
 この事件は、発生後、日中共同の調査にも拘わらず、中国当局は、袋の外からも毒を入れられるし、製造過程で毒が入れられた可能性は低いとして、この事件はうやむやになりかけていた。
 ところが、この6月に中国で、同じ天洋食品の餃子を食べて、中国で同様の中毒事件が発生したのだ。
 倉庫に保管されていたはずのものがどのようなル−トで流通したのかは不明だが、これで一挙に事件は解明の方向に向かった。
 しかし、調査を終えて、何ヶ月も経ってから、犯行が分かるというのもおかしい。本当はとっくに分かっていたが、頬かむりしてしまおう、というのが本音だったのではなかろうか。
 だから、自国での中毒発生も隠しておきたかったのであろうが、インタ−ネット時代だから、何時ばれるかも知れないし、ばれたら、中国政府の信用はがた落ちになり、国際問題になりかねないことを配慮して発表したのであろう。
 結局、日本は濡れを着ないで済んだのは結構なことだが、中国とはこんな国であることは肝に銘じねばならぬであろう。
 村上新八