民主党大統領候補、オバマ氏がアフガン、イラクを歴訪している。直接現地を視察し、米軍の現地指揮官やマリキ首相と対談するのはよいことである。
 このところ、民主党では、対イラク方針が変る兆しがある、と報道されている。増派とか、撤退問題にはあまり触れないようになってきている、と言うのである。
 大統領選の本戦が近づいてきて、現実論を展開しなければならないことを感じ取っているのであろう。
 一方の共和党候補のマケイン氏はここ暫くの間は駐留継続を主張している。
 しかし、イラク現地住民の意見は、シ-ア派とスンニ派では正反対だ。シ-ア派は、「米軍撤退はイラクを混乱に陥れる」というのに対して、スンニ派は「撤退大賛成」と言う。
 この違いの底辺には、米軍撤退で、再び勢力を盛り返す機会にしよう、とするスンニ派と、そうなることを心配するシ−ア派との違いであるのであろう。この現場感覚は正しいように思う。
 言い換えれば米軍の撤退は「内戦化」孕みの問題だということなのだ。
 米国民としては、ここで賢明な判断が求められるのである。
 村上新八