洞爺湖サミット2日目、地球温暖化問題が議論されたが、「G8はすべての国とともに、2050年までの世界全体のガス半減という長期目標の共有を目指し、今後の国連交渉でこの目標を検討し、採択することを目指す」という「ぬるま湯表現」にとどまった。
 中国、インドが含まれないからという超大国アメリカの消極姿勢や日本、EU、カナダの積極姿勢を加重平均したような、へんてこな表現である。、
 さぞ言い回しに苦労したしたであろうことは、よく分かる表現ではあるが、これでは昨年のドイツのハイリゲンダムのサミットとは大して変らない。
 その一方で、中国、インド、メキシコ、ブラジル、南ア連邦の新興5ヶ国での会議では、「まず、先進国が2050年までに二酸化炭素の排出を80−90%減らすべきだ」などという、およそ真面目な議論をした結論とは言えない決議をしているのだ。
 食料高騰、原油高騰、世界的スタグフレ−ション、テロなど他の問題についても同じようなことになるのだろう。
 国益実現の基盤である地球そのものがおかしくなっているというのに、この体たらくだ。
 こうして、もたもたしている間にも、地球温暖化とそれによる異常気象現象は、常態化し、日に日に悪化を加速させているのである。
 人類滅亡の日は刻刻と近づいているのに、まだ気が付かない人間のバカ欲のおぞましさだ。
 サミットは、解決への知恵を出し合う場ではなく、世界的な重大課題を世界にPRする機能に過ぎないが、それくらいの存在意義はあるのだ。
 村上新八