2日にわたって、北京で北朝鮮側と会談した外務省の斉木アジア太平洋局長は、その会談の内容を報告した。
 それによると、北朝鮮は、よど号事件の犯人を日本に送還することを検討すること、拉致被害者については再調査することを約束したという。
 北朝鮮は、米国の「テロ支援国家」指定を解除してもらいたいばっかりに、その障害になっている拉致問題について、日本と再交渉する素振りを示しただけのものであると思う。
 しかし、それに応じて日本は、経済制裁を一時中止することを決定した。
 よど号事件の犯人は、北朝鮮としても今は、役に立たないお荷物であるばかりでなく、、このことが、アメリカの「テロ支援国家指定」の理由ともなっていることからも、一刻も早く引き取ってもらいたいところであろう。
 日本の警察としては、彼等が誘拐したに違いない欧州からの日本人誘拐の真相を掴みたいところであろう。
 問題は、拉致被害者の再調査である。が、拉致した日本人については、その性質上、すべての拉致者についての居所、動静は詳細に監視され、逐一記録されているはずだから、改めて調査する必要はない、と考えるのが自然である。
 こうして、人の良い日本外務省はまたまた北朝鮮に騙されるのである。
 村上新八