このところ、与野党が一斉に「予算のムダ排除、つまり官僚のムダ排除」を言い出している。民主党は以前から言っていたが、最近になって、遅まきなから、与党も言い出している。とにかくは、よいことだ。
 しかし、それを言い出す思惑は3通りある。
 第一は、消費税率引き上げの露払いとしてだ。これは消費税引き上げを必須として、それに対する国民の理解をうるためには、その前に官僚のムダを排除しなければならない、という考え方である。これは自民党の谷垣あたりが中心になって唱えている。
 第二は、道路財源確保のための露払いとしてだ。道路特定財源の一般財源化を骨抜きにし、10年間59兆円を貫くためには、他の予算のムダ排除を優先させる必要がある、という立場である。自民党道路族の親分である古賀あたりが唱えている。
 第三は、増税回避の方法としてである。「道路建設費」「地方整備局」「特別会計制度」「天下り先に流れる12兆円」などのムダを省け、というものである。これは民主党の以前からの立場である。
 第一、第二はうさん臭いが、ともあれ、与野党とも官僚のムダ使い退治の必要性を唱えているのは当然であり、与野党協力して大いにやってもらいたい。それが官僚退治の突破口になるのだ。
 村上新八