ミャンマ−の穀倉地帯を襲った猛烈なサイクロンから3週間も経過するのに、救援の手は殆ど届いていない。軍事政権が人的支援を頑なに拒んでいるためである。
 国連事務総長が現地に赴き軍事政権の最高指導者タン・シュウェを説得し、人的支援の受け入れをやっと承諾させることに成功したが、具体的な手続きはまだ決まっていない。
 その一方で、軍事政権温存のための憲法の国民投票は強行され、94%もの賛成で成立する見通しだという。
 こんな数字は、1990年の総選挙で、民主化推進を掲げるアウンサンス−チ−率いる「国民民主同盟」が圧勝した(軍事政権はこれを認めないまま居座っている)事実や昨年の僧侶を中心とする国民の大デモ発生からみても、軍事政権がでっち上げた数字であることは明らかだ。
 軍事政権は、その後ろ盾になっている中国に豊富な天然ガスを売って、軍備拡張に余念がないが、その軍備は民主化を要求するミャンマ−の民衆を抑圧し、軍事政権の実態を維持するための武力装備なのである。
 ミャンマ−の民衆は、北朝鮮の次に可哀想である。
 村上新八