NHK現地駐在員が撮影したビデオの映像によると、未曾有のサイクロンに見舞われたミャンマ−の、未だに公的救済の手が届いていない被災者の惨状は目に余るものがある。
 それにも拘わらず、軍事政権は、ミャンマ−入りした国連事務総長直々の説得に対しても、人的支援を頑なに拒んでいる。
 被災現地の実態は、そうはなっていないにも拘わらず、軍事政権の首相は「救済の段階は終わった。今は復興段階に入っているから人的支援は不要だ」とウソを言っているのだ。
 事務総長は今日にでも、軍事政権の最高責任者に面会して、説得を続けるというが、何故このように頑ななのか。
 それは、災害から3週間以上も経つのに、ごく一部を除いては、救済の手さえも伸びていない惨憺たる状況を外国人には見られたくない、報道されたくない、それは軍事政権の恥になるからだ、と思っているからだとしか考えられない。
 塗炭の苦しみにあえいでいる国民の救済よりも、政府の面子のほうを大切にするような「ならずもの政権」は、倒すより方法がないのだ。
 ク−デタ−の伝統のある国なのに、ミャンマ−軍のなかにそういう正義感を持って政権を打倒しようとする軍人はいないのか。
 村上新八